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□三井住友銀行 奥正之頭取の苦悩 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1958374/detail
三井住友銀行 奥正之頭取の苦悩
頭が痛いことだろう――。三井住友銀行の奥正之頭取の心中は察するところ、こうではないか。
融資の条件として金融派生商品の購入を強要したことで金融庁から一部業務の停止を命じられた三井住友銀。10日には、そのトップである奥頭取が衆院財務金融委員会に参考人として呼び出されてこってり絞られた。
ここで奥頭取は、違法営業を強引に推し進めた当時のトップ、西川善文頭取(現・日本郵政社長)に何らかの処分を下す意向を示した。かつてのドンをバッサリやるつもりだろうか。
西川氏のやり方はたしかにひどい。他のメガバンクに勝つため08年度までに収益を1510億円増やす具体的な目標を立て、このうち今回問題になった金利スワップなど非金利収益で760億円を稼ぎ出せと行員に檄を飛ばした。狙われたのは4万社にのぼる中堅・中小企業。同委員会でようやく明るみになった。
「西川氏がどんなに悪くても、銀行を離れた人に加える制裁は限られている。せいぜい、慰労金を含む退職金の支給に手をつけることくらいしかないでしょう。焦点は一部支給にとどめるか、全く支給しないか」
金融関係者の声を拾うと大方の読みはこうだ。
頭取歴8年、全国銀行協会会長を2度も務めた西川氏ほどの大物になれば退職金はひと昔前なら10億円以上。金融危機が騒がれ公的資金が注入されるようになって減額したとはいえ、「数億円は下らない」(メガバンク幹部)といわれる。退職金ゼロに踏み切るのだろうか。
「株主や金融庁の目があるため、甘い処分はできないはずです。それにワンマンの西川氏ひとりに振り回された揚げ句、尻拭いさせられる役員たちの不満もあるでしょう」(前出のメガバンク幹部)
しかし、コトはそう単純ではなさそうだ。金融ジャーナリストがこう解説する。
「三井住友銀の規模は3大メガバンクの中で3番手。今後の激しい競争を勝ち抜く上で、西川氏に嫌われて最大の金融機関である日本郵政との関係を悪くすることは得策ではありません。戦術としてはむしろ、味方に付けることこそ三菱UFJやみずほに勝つチャンス」
銀行の処分に従う考えを表明している西川氏。退職金を出すのか、出さないのか。奥頭取はまさに苦悩するハムレットの心境かもしれない。
【2006年5月11日掲載】
2006年05月14日10時00分