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「為替」 トリシェECB総裁の追加利上げ示唆でユーロ全面高1.2725ドル、原油70ドル割れ／ニューヨーク外国為替市場概況
「トリシェECB総裁の追加利上げ示唆でユーロ全面高1.2725ドル、原油70ドル割れ」
ニューヨーク概況 2006年5月5日（金曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子／片
山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:43JST 「トリシェECB総裁の追加利上げ示唆でユーロ全面高1.2725ドル、原油70ドル割れ」
【ロンドン市場概況】
4日のロンドン外為市場では、民間調査のイギリスの4月サービス部門PMIが上昇し
たことを材料にポンド買いが対ユーロで強まり、ユーロ・ポンドが0.6859レベルか
ら0.6839レベルまで下落し、ユーロ・ドルも1.2603ドルから1.2571ドルまで下落し
た。その後、ポンド・ドルが1.8353ドルから1.8434ドルまで上昇し、ユーロ・ドル
は1.2606ドルまで連れ高になった。ドル・スイスは1.2387フランから1.2420フラン
で、ドル・円は113円83銭から114円14銭で、ユーロ・円は143円41銭から143円60銭
で取引された。
【経済指標】
ユーロ圏・3月の小売売上高：前月比-0.8％（予想前月比+0.1％、2月-0.1％←-
0.2％）
ユーロ圏・4月のサービス部門PMI：58.3（予想58.5、3月58.2）2000年9月以来最高
独・4月のサービス部門PMI：57.3（予想57.0、3月56.6）
仏・4月のサービス部門PMI：59.4（予想60.5、3月60.4）
英・4月のサービス部門PMI：59.7（予想57.6、3月57.4）2004年1月以来最高
英・4月の住宅価格：前月比+2.0％（3月+1.1％）
【要人発言】
特になし
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：114円03銭、ユーロ・ドル：1.2602ドル、ユーロ・円：143円64銭、ポン
ド・ドル：1.8419ドル、ドル・スイス：1.2400フラン
【ニューヨーク市場概況】
4日のニューヨーク外為市場では、トリシェECB総裁が政策金利据置き決定後に「政
策委員会は物価安定のリスクに対して強い警戒を行っていく」「景気シナリオが確
認されれば、追加利上げは保証される」と述べ、ECBの追加利上げを示唆したことか
らユーロが全面高となった。ドル・円はユーロ・ドル上昇に絡んだ売りに押され114
円09銭から113円26銭まで下落し、113円60銭前後で引けた。
ユーロ・ドルはECB総裁のタカ派発言をきっかけに買いが加速し、1.2591ドルから約
1年ぶり高値である1.2725ドルまで急伸し、1.2695ドル前後で引けた。ユーロ・円は
日欧の金利差拡大観測を受けた円キャリートレードの活発化などで143円46銭から
144円48銭まで上昇した。ポンド・ドルは1.8401ドルから1.8549ドルまで上昇した。
ドル・スイスは1.2404フランから1.2248フランまで下落した。
【原油市場】
原油相場は2日連続で3％以上下落し、3週間ぶりに70ドルを割り込んだ。製油所の
稼働率が改善傾向にある中、ガソリン在庫が9週間ぶりに増加に転じたことを受け
て、米ドライブシーズンにおける供給不安が後退したことから売りが続いた。NYMEX
原油先物価格は69.30ドルまで下落した後も弱含み、69.94ドル（前日比3.2％安）で
取引を終えた。
【株式市場概況】
NY株式相場は上昇。原油価格が70ドルを割り込んだことや小売各社が発表した4月の
既存店売上高が好調だったことで、終日堅調な展開となった。セクター別では、不
動産や運輸が上昇する一方で、耐久消費財・アパレルやエネルギーが軟調推移とな
った。アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ（AEOS）やアバクロンビー＆フ
ィッチ（ANF）などのアパレル各社が好調な既存店売上高を発表して上昇。またスタ
ーバックス（SBUX） や食料品店のホールフーズ（WFMI）は好決算を発表して上昇し
た。コングロマリットのタイコ（TYC）は予想を上回る決算とともに20億ドルの自社
株買い枠設定を発表して3.6％高。ダウ構成銘柄では、ウォルマート（WMT）が5月の
売上に慎重な見方を示して小幅安。マイクロソフト（MSFT）はスティーブバルマー
CEOは、MSN部門の研究開発費を倍増する計画を明らかにして小幅上昇した。結局ダ
ウは38.58ドル高の11438.86、ナスダックは19.93ポイント高の2323.90で取引を終了
した。マイクロソフト（MSFT）はMSN部門の強化を図る一方、AOLと提携したグーグ
ル（GOOG）に対抗して、ヤフー（YHOO）との関係強化を模索していると一部で報道
されている。
【通貨オプション】
ドル・円は、本日のトリシェECB総裁のタカ派発言を受けたユーロ・ドル上昇に連
れ114
円台から113円前半に反落した。欧州通貨中心にドル先安感は根強くオプション市場
での変動率は堅調に推移している。1ヶ月物は9.400％から9.550％へ上昇、3ヶ月物
は9.325％で昨日比変わらず、6ヶ月物は9.175％から9.275％へ上昇している。
ドル・円が下げ渋っている事からリスクリバーサルでは、円コール買いが弱ま
り、25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は1.150％から1.000％、3ヶ月物は
1.200％から1.150％、6ヶ月物は1.225％から1.175％へそれぞれ縮小している。
【経済指標】
英中銀：政策金利4.5％で据え置き決定
欧州中央銀行：政策金利2.5％で据え置き決定
米・1-3月期の非農業部門労働生産性：前期比+3.2％（予想+3.0％、前期-0.3％←-
0.5％）
米・1-3月期の単位労働コスト：前期比+2.5％（予想+1.0％、前期+3.0％←+3.3％）
米・週次の新規失業保険申請件数：32.2万件（予想31万件、前回31.7万件←31.5万
件）
【要人発言】
トリシェECB総裁会見
「ECBは物価安定リスクに強い警戒をしていく」
「経済シナリオが確認されれば、追加利上げ保証される」
「指標は物価予想を裏付けている」
「指標は第1四半期の経済成長の加速、第2四半期の成長継続を示している」
「世界経済は引き続き強い」
「消費は拡大していく」
「原油価格は成長の下方リスク」
「原油市場の更なる透明性が必要」
「短期的にインフレは2％以上を継続」
「インフレ見通しは原油高の物価への波及の程度による」
「指標は連銀のシナリオを確認」
「経済は潜在的水準で成長」
「インフレリスクが上昇」
「金利に関して事前決定はしない」
「本日の決定は全会一致」
「為替相場に関してはG7声明通り」
「インフレ予想は引き続き抑制」
独Ifoジン所長
「ECBの金利は中期的に3.5％も好ましい」
「景気拡大が続けばECBは利上げが必要だ」
グラッサー・オーストリア中銀総裁
「ユーロ圏景気に楽観的な観測」
「欧州数ヶ国で上向きの経済指標結果が見られる」
ザルム・オランダ財務相
「ユーロ圏の金利上昇はユーロ圏経済の回復の証拠」
「現在のユーロ圏の政策金利は中立水準を下回る」
「強いユーロは原油価格の影響によるインフレを減衰させる」
「ユーロ上昇の輸出への影響は少ない」
「欧州の経済はかなり強い」
「欧州財務相はECBに金利政策に関する圧力をかけるべきでない」
アルムニア欧州委員会委員
「もし原油価格が上昇継続した場合、経済成長の妨げとなり、インフレ圧力になろ
う。しかしながら、現在のところ経済の強さと相殺されている」
金人慶財政相
「市場に基盤を置く為替制度の導入が必要」
「人民元相場、国際収支のバランスを適度に反映」
「中国は他の主要国の命令に従う事は談じてない」
【東京市場終値-ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 113.83 114.14 113.26 113.66
ユーロ・ドル 1.2603 1.2725 1.2571 1.2691
ユーロ・円 143.45 144.48 143.41 144.25
ドル・スイス 1.2391 1.2420 1.2248 1.2293
ポンド・ドル 1.8373 1.8549 1.8353 1.8514
株式市場：
NYダウ 11401.80 11463.11 11401.80 11438.86
ナスダック 2306.24 2326.82 2307.38 2323.90
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 5.234 5.239
米国債10年物 5.142 5.154
先物市場：
NY金先物 665.8 679.8 665.0 676.5
NY原油先物 71.35 71.82 69.30 69.94
シカゴ日経平均先物 17180 17260 17180 17245
（フィスコ） - 5月5日6時54分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060505-00000001-fis-brf
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