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□イーホームズ買収 北尾吉孝氏の読み違い [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=26075
【この会社の人と事件】
2006年4月27日掲載
イーホームズ買収 北尾吉孝氏の読み違い
結局は元に戻ったが…
二転三転の目まぐるしい展開だ。フジテレビジョンとライブドアによるニッポン放送株争奪戦で、フジ側のホワイトナイト（白馬の騎士）として名を馳せた北尾吉孝氏（５５）のイーホームズ買収騒動のことである。北尾氏が代表取締役最高経営責任者（ＣＥＯ）であるベンチャーキャピタル、ＳＢＩホールディングス（ＨＤ）は、４月に入って傘下に収めたばかりの建築確認検査機関、イーホームズ（藤田東吾社長）の株式を北尾氏個人に譲渡した。
姉歯秀次・元１級建築士（４８）による耐震強度偽装事件に関連して、イー社に架空増資疑惑が浮上したためだ。風評で自社の株価が下落することを懸念したＳＢＩＨＤは、緊急避難的措置として持ち株を北尾氏に譲渡したのである。ところが、２５日になって事態は急転する。ＳＢＩＨＤと北尾氏が取得したイーホームズ株式について、取得契約を解除することで、イーホームズ側と合意したのである。ＳＢＩＨＤが北尾氏に譲渡した契約も解除される。北尾氏にとってはヤレヤレといったところだろう。
北尾伝説のハイライトは、ソフトバンクの孫正義社長（４８）の懐刀として数々のＭ＆Ａを成功させたことだ。野村証券時代にソフトバンクの株式公開を担当した縁で、孫氏にスカウトされソフトバンク入りした。ソフトバンクの大型Ｍ＆Ａは、北尾氏のノウハウがあったればこそ可能だった、といわれている。
「孫氏と袂（たもと）を分かった」（関係者）北尾氏は昨年、ソフトバンク・インベストメントの社名をＳＢＩホールディングスに変更。社名からソフトバンクの６文字を消し、連結子会社からも外れた。
独自の道を歩みはじめた北尾氏が、新たな中核事業と位置付けたのが住宅不動産。イー社の買収は、住宅関連事業を強化する一環だった。
「建築確認検査機関は免許事業。だから買った。いわくつきの会社なので、それだけ安く買えたとニンマリしていたのではないのか」――北尾氏を知る証券関係者はこう言う。だが、イー社に架空増資の疑惑が浮上。２６日、ついに藤田社長が警視庁に逮捕される事態となった。
契約解除でコトなきを得たが、Ｍ＆Ａのプロを豪語する北尾氏らしからぬ読み誤りがあったのは間違いない。【野村隆夫】
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