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□<景気拡大期>ふさわしい名前は? [毎日新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060501-00000022-mai-soci
<景気拡大期>ふさわしい名前は?
11月まで続けば「いざなぎ景気」を超えて戦後最長となる今の景気拡大期だが、まだ名前が付いていない。過去の拡大期のような勢いがないせいか、地方などへの広がりが弱く実感が薄いからなのか……。内閣府は「我々は名前を付けません」と知らぬ顔だが、このままでは落ち着かない。さて、どんな名前がふさわしいだろう。【尾村洋介】
◇11月には「いざなぎ景気」超えて戦後最長に
02年2月に始まる今の拡大期は4月で51カ月となり、「バブル景気」(86年12月〜91年2月)と並んだ。次の目標は高度成長期に57カ月続いた「いざなぎ景気」(65年11月〜70年7月)。「古事記」に由来する命名で、「神武景気」(54年12月〜57年6月)、「岩戸景気」(58年7月〜61年12月)を経て、ついに「国生み」神話までさかのぼったわけだ。
こうした名前は、いわば「読み人知らず」。時代の雰囲気や社会現象などでさまざまな言われ方をした中から、一つの言い方が定着したらしい。
そこで、今回の景気である。「国生み」の前はないかと思いきや、実はあった。「いざなぎ」を超える前提で「たかみむすひ景気」を提案するのは第一生命経済研究所の飯塚尚己主席エコノミスト。高御産巣日(たかみむすひの)神は古事記でイザナギ・イザナミより前に出てくる神という。最初に登場するのは「天之御中主(あめのみなかぬしの)神」だが、それは最後の切り札だ。
今の景気は回復テンポが緩やかで、今一つ実感が伴わない。IT(情報技術)ベンチャー経営者や株長者らの「勝ち組」が脚光を浴びる一方、パート・派遣労働者やニート、フリーターが増えていることも景況感を共有できない背景だ。
そこに着目したのが、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト。「都市と地方の格差は地価にも表れている。誰もが幸福な状態ではない」と指摘し「格差型景気」という名を主張する。経済評論家の神崎倫一さんは「『しんきろう景気』。見る方向によって変わる。上流階級は恩恵を受けているが、下層に届いていない。後で振り返ると『本当に景気は良かったのか』ということになるのでは」と評する。
同じ特徴を「低体温景気」と表したのは、作家の石田衣良さん。「どこかで熱が出ているが、全体に回らず冷めたまま。過熱感はまったくない」
小泉純一郎首相が喜びそうな「改革景気」という案もある。第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「自分の考えとは違うが、賛同者が多ければ定着する可能性がある」と指摘する。もちろん、景気回復の主役は血の出るようなリストラを続けてきた民間企業。政府が不良債権処理の促進や金融緩和などで下支えしてきたのは確かだが、小泉首相が手柄を独り占めするようなネーミングには異論も出そうだ。
香西泰・日本経済研究センター客員研究員は「『リストラ景気』がふさわしい」と話す。「痛みを伴った回復。イノベーション(技術革新)による回復ではない。負け戦の陣容は立て直したものの、他国を大きくリードする状況ではない」と冷静に分析する。米欧に「追いつけ、追い越せ」と走り続けた高度成長期、金余りによる株や土地の高騰が主導したバブル期とは違う、新たな成長パターンを見いだせるかどうかが「実感なき景気拡大」の汚名を返上するカギになりそうだ。
(毎日新聞) - 5月1日10時50分更新