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□自動車海外生産 初の1000万台突破の不安 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1894370/detail
自動車海外生産 初の1000万台突破の不安
初の1000万台に――。05年度自動車の海外生産が初めて大台にのった。米国ビッグスリーの苦戦を尻目に、飛ぶ鳥を落とす勢いの日本メーカー。何ともメデタイことだが、素直に喜んでいていいのか。
数字は確かに凄い。自動車大手8社全体の海外生産は1021万台。日産を除く7社が前年実績を上回り、うち5社が過去最高を更新。2割近い伸びを示し過去最高の約566万台のトヨタをはじめ、日産とホンダも200万台を突破した。最大の要因は、北米やアジアなどでの販売増。新車市場の伸び悩みで主要3社がそろって前年割れした国内販売とは大違い。国内販売の1040万台を抜くのは時間の問題だろう。まさに海外サマサマだが、海外生産の増大が国内生産の減少につながるとしたらどうだろう。由々しき事態ではないか。実は、こうした見方が自動車業界の一部で出始めている。国内市場の成熟に加えて、最大の購買層である団塊世代の高齢化、未来の顧客である若手世代の少子化問題などが確実にやってくる。ある自動車ジャーナリストが業界のホンネをこう代弁する。
「自動車大手の経営者がこの手のことを大っぴらに口にすることはありません。が、業界のだれもが“国内生産は現状維持が精いっぱい”と感じ、不安に思っていることです」
6対4。これは、国内で生産されるクルマの国内向けと輸出向けの主な比率だ。
「海外生産が増えることは、4割にあたる輸出向けの比率が下がることを意味するといえるのです」(前出の自動車ジャーナリスト)
実はもうひとつ理由がある。
「日本での競争に勝ち残ることが、世界で勝つ上で最も大事なこと」
こう指摘するのは自動車アナリスト。自動車メーカーは、日本を高度な技術力を育み世界へ普及させる“マザー工場”ととらえているからだという。
「市場のパイがいっぱいの中での競争は、勝ち組と負け組を厳しく選別することになる。負け組は国内市場からスピンアウトされる。当然、工場閉鎖や倒産なども避けられないはずです」(前出の自動車アナリスト)
もっとも海外生産にもリスクが付きまとう。このところの円高・ドル安のほかに、マツダが中国での生産を一時停止したようにカントリーリスクも抱えている。海外生産の増大は決して良いことばかりではないのだ。
【2006年4月25日掲載】
2006年04月28日10時00分