★阿修羅♪ > 国家破産46 > 131.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□イメージ先行の「技術空洞」に警鐘 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1890958/detail
イメージ先行の「技術空洞」に警鐘
ソニー元社員が書いた「技術空洞」(光文社ペーパーバックス)が出版された。パソコン製造現場で「バイオ」の凋落を見てきた著者は、「今のソニーは技術が消えブランドだけが残った」と警告する。
「先輩のソニーマンが作ったものに憧れて入社したようなソニーマニアだった僕がガッカリしてしまった。これが原点です」
本を書いた理由をこう話す宮崎琢磨氏(33)。ソニーの製品が大好きなオーディオ小僧だった宮崎氏は、文系採用ながらマニアックな専門知識があるため、「バイオ」開発部隊で企画を担当した。しかし昨年5月、7年勤めたソニーを去った。
「ソニーはイメージ戦略がうまいけれども、みんなが憧れるに足る『ものづくり』の現場があるのかどうか。虚飾だと思ったんですね。本当のことを学生や後輩に伝えていかなければ、という気持ちもありました」
著書の中に、年1回社内向けに行われていた「技術交換会」の記述がある。かつて平和島の東京流通センター全館を埋め尽くした展示品は、数年後自社ビルの1フロアさえ埋まらなくなった。
「研究所がどんどん切られていくからです。先輩の名前を記した『木原研究所』と『中村研究所』の廃止が決定しましたが、そういった独立した基礎研究所に手をつける前に、事業部内の研究所はとっくに切られている。コストのかかる研究開発を本社で持たないということは悪いことではありませんが、これが間接的に『ソニーは技術を軽視している』と社員に思わせてしまったことがマズい。ソニーの内部はコテコテの製造業なんですから」
撤退が決定した高級ブランド「クオリア」については、「コンセプトは悪くなかった」とこう続ける。
「高額商品には求められる格がある。そんな格のある商品を1年で出せるわけがない。『ものづくり』をわかっていない。カッコをつけて形だけ整えても、それはユーザーを裏切る行為だった」
今のソニーに「どこかおかしいよ」と、周囲が言わなければわからないという思いが強い。ソニーが好きだからこそ、ユーザーにソニーを考えて欲しいという著者のメッセージでもある。
【2006年4月24日掲載】
2006年04月27日10時00分