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□ブレーキなき原油高騰 [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=25972
【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
2006年4月21日掲載
ブレーキなき原油高騰
1バレル=100ドル突破は遠くない
原油価格が急騰している。ニューヨークの原油先物相場では、心理的な攻防ラインと見られた1バレル=70ドル台を軽く突破。ロンドン、東京でも連日のように最高値を更新した。
このまま行けば80ドル、90ドルと次々に節目をクリアしていくだろう。1バレル=100ドルを超えるのも、そう遠い話ではないように思える。ブレーキを掛ける材料が見当たらないからだ。
第1次と第2次のオイルショックのときは、産油国のカルテルが途中で崩れ、大量供給するところが出て歯止めがかかった。それまでは水と空気と石油という感じで湯水のごとく使っていただけに消費者はパニックになったが、明確な解決策はあったのだ。
しかし、80年代後半以降、石油カルテルは崩壊し、自由市場になっている。そのうえ今は、どの産油国も生産は目いっぱいのフル稼働だ。どこかが供給量を大幅に増やすというのは難しい。
イランの核開発問題やナイジェリア情勢の混乱など「地政学的リスク」も大きい。原油のガブ飲みを始めた中国の存在も価格を押し上げる要因になっている。最近は石油危機のころに動き出した油田の枯渇も心配されるようになってきた。いずれ供給不足が顕在化する恐れは強いのだ。
こうなると省エネルギーの推進、代替エネルギーの普及促進が価格抑制の面からも有効になる。が、さしあたってはそれにも限界があるだろう。
エアコンなどの家電製品はモデルチェンジのたびに電力消費が減っている。自動車も低燃費化が進んでいる。しかし、エアコンも自動車も、台数がどんどん増えていけば、全体としてのエネルギー消費は増えてしまうことになる。
原子力や風力、太陽光など、火力以外での発電も、大きなウエートを占めるまでにはなっていない。
01年からの米金融緩和によるカネ余りも、原油高騰に拍車を掛けている。原油市場は債券や株に比べて規模が小さい。そのため、少ない資金でも価格を動かし、運用益を出しやすくなる。投機筋にとっては魅力的だ。ほかに有利なモノが出てくればいいが、みながまだ上がると見込んでいるから、株式のような高値警戒感も出にくい。
家計や景気へ深刻な影響が出るのも時間の問題だろう。【高橋乗宣】