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□飛鳥建設を転落させた飛島斉氏の死 [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=25950
【この会社の人と事件】
2006年4月20日掲載
飛鳥建設を転落させた飛島斉氏の死
創業家一族の総帥
2つの記事に目が留まった。ひとつは飛島建設の飛島斉(とびしまひとし)元社長が93歳で亡くなったという小さな死亡記事。もうひとつは仕手集団「光進」の小谷光浩元代表(68)=有罪確定=に300億円を迂回融資して株を取り戻そうとした蛇の目ミシン工業の旧経営陣に対する株主代表訴訟で、最高裁が対価支払いを違法と判断した裁判記事だ。
2つの記事には何のつながりもないように見えるが、それが大ありなのだ。名門ゼネコン、飛島建設を破綻寸前に追いやった元凶は、小谷元代表と組んで蛇の目ミシン株の仕手戦にのめり込んだ飛島ファミリーの放漫経営にあったからだ。
飛島建設の創業は1883(明治16)年。2代目飛島文吉の時代に、福井の土木会社から5本の指に入る大手ゼネコンに飛躍した。
戦後、事業を継いだのが文吉の三男の飛島斉氏。
「良くも悪くもお殿様で、商売に向いていなかった」(建設業界の長老)
大手の一角に数えられた飛島建設は、あっという間に中堅クラスに転落。低迷から脱し、名門復活に意欲を燃やしたのが、斉氏の長男の飛島章氏(58)。85(昭和60)年に37歳の若さで父親から社長の座を引き継いだ。
若社長は翌86年3月期決算で、見えを張って墓穴を掘ることになる。
「最終利益は20億円と公表していたが、達成できる見込みが立たなくなる。そこで小谷と組んで蛇の目ミシン株の仕手戦をやって利益をひねり出し、利益目標を達成した」
当時を知る関係者は語る。しかし、この益出し作戦は、べらぼうに高いものについた。小谷代表にしてみれば、カネづるが向こうから飛び込んできたようなものだ。蛇の目ミシン株の仕手戦を続けるために、飛島建設からどんどん資金を引き出していった。
「恥部を握られた章は、小谷の言うがままに、カネを出し続け、最終的には600億円に膨れ上がった。小谷に対する融資が飛島建設転落の原因です」(関係者)
飛島建設の資金で買い占めた蛇の目ミシン株を蛇の目側に高値で買い取らせるために、300億円を迂回融資させたのが、いわゆる蛇の目ミシン事件である。
あれから20年。小谷元代表は塀の内側に落ち、飛島章元社長はライブドアと提携(事件後提携解消)していたジャスダック上場のYOZANの取締役を務める。(一部敬称略)
【野村隆夫】