★阿修羅♪ > 国家破産46 > 109.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.nikkei.co.jp/ks/desk/desk.html
金融市場にとっての不安定の弧(4/24)
梶原誠デスク
中東からカスピ海を通って朝鮮半島に至る緩やかなカーブ。この帯を国際政治では「不安定の弧」と呼びます。軍事・政治的な緊張が多い地域が並ぶからです。米同時テロ以降、ブッシュ政権にとっては目が離せない地域になりました。
金融市場の焦点でもあります。インド・パキスタンの核実験で世界の投資家はリスクを取れなくなり、1998年のロシア金融危機を誘発。それが米超大型ヘッジファンドLTCMが破綻する引き金になりました。2003年のイラク戦争も投資家心理を冷やし、世界の株式市場の足を長い間引っ張りました。
ここ数年の焦点は弧の両端です。つまり中国と中東。共通点は貿易黒字です。中国はモノの、中東は石油の輸出で莫大(ばくだい)な外貨を稼ぎ、そのお金は世界中の金融市場に向かっています。米国では財政赤字、経常赤字の「双子の赤字」を抱えているのに債券市場が安定し、その結果、金利が抑えられて消費を刺激しています。これは弧の両端からあふれ出たマネーが米国債に向かっているのが一因です。もし両地域が政治的な緊張に巻き込まれてマネーが来なくなったら……。
本日のフロントでは、先週ワシントンで開いた7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でも同様の懸念が浮上したことを紹介してます。弧の両端はG7のメンバーではありません。後戻りしない金融市場のグローバル化は、先進7カ国だけで構成する枠組みに変化を迫っています。