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□JAL再生の進捗度 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1881148/detail
JAL再生の進捗度
「これはダメかもわからんね」――1985年8月、御巣鷹山に墜落したJAL123便のボイスレコーダーに残された機長の言葉だ。
運航トラブル続きで、客離れが止まらないJALが「日本航空安全啓発センター」(東京・羽田)を24日にオープンする。床面積622平方メートル。説明パネルやビデオと共に展示されているのは、事故原因とされる修理ミスのあった後部圧力隔壁や残存機体、原形をとどめないほど激しく損傷した座席など41点。当時、事故後の対策を担当したある社員が「ちょっと、正視できなかった」と顔をしかめるほど、凄惨さを物語っている。
啓発センターは昨年以降の事故多発を受け、社員の研修施設として設置を今年1月に発表し、数億円を投入した。
「整備関係の新入社員が5月中旬に研修に来ます。全体の安全教育カリキュラムにも組み入れる予定で、安全担当部門長など、安全面に深く携わっているセクションから順次見学することになっています」(JAL関係者)
大惨事から21年。本来ならもっと早い段階でこうした取り組みがなされていて当然。それでも、事故を風化させないためにも、設置に踏み切ったことは一歩前進だろう。
「大事故の教訓が日常的な整備に生かされていなかったのは、この1〜2年の結果を見れば明らか。さすがにこの事態になって、ようやく気づいたということなのでしょう。賃金一律カット問題を巡り、大半の労組が反対している状況下でストを回避したのは、労組側にも経営陣とは同床異夢ではあっても、安全優先意識が浸透しつつあるともいえるでしょう」(航空ジャーナリスト)
深刻度を増す客離れが、ようやく意識改革につながり始めたということか。
しかし、状況は依然として厳しい。たとえば、3月の秋田空港利用状況――。東京発着便の利用者数は、ANAが前年同月比6%増に対し、JALは17.8%減と3カ月連続で減少した。株価も303円と、ANAの420円に大きく引き離されたままだ(共に20日終値)。今後、ドラスチックな改善策をどれだけ打ち出していけるのか。
一端として、新町敏行社長が西松遥専務にバトンタッチする6月以降、60歳で定年退職する整備士OBの再雇用を本格導入する。ベテランと若手整備士を一緒に作業させて技術を引き継ぎ、整備ミスを防ぐのが狙いだというが、スピーディーにやらないと、利用客の不信感を払拭するのは容易ではない。
完全再生へは、まだまだ険しい道のりが待っている。
【2006年4月21日掲載】
2006年04月24日10時00分