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http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=a0N7sZpamdY4&refer=jp_us
Jスター社長:インテルのビジネスモデル限界に−市場構造が変化(2)
4月20日(ブルームバーグ):半導体世界最大手の米インテルが19日(米国時間、日本時間の20日未明)に発表したことし第1四半期(1−3月)決算で、純利益が前年同期比38%減と過去4年間超のなかで最大の減益幅となったことを受けて、IT調査会社ジェイスターの豊崎禎久社長は20日、ブルームバーグ・ニュースのテレビインタビュー番組で、「インテルが注力するパソコン(PC)の市場が、完全にコモディティ(日用品)化したという大きな問題がある。下期に利益率を上げていくことは難しいだろう」との認識を示した。
インテルの売上高は前年同期比5.2%減の89億4000万ドル。減収は12四半期で初めて。ライバルの米アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)にシェアを奪われたことが響いた。
豊崎社長はこのなかで、「デスクトップを中心にPCの単価は急激に下がっている。販売数量が伸びても単価の下がり方が大きく、MPU(超小型演算処理装置)メーカーのインテルの売り上げも伸びない状況」と指摘。現実の問題として、「インテルのビジネスモデルのメカニズム自体に変化が起きている」との見方を示した。
AMDについては、「インテルと同様にPC向けのMPUを作っているが、AMDはサーバー向けに大きなシェアを持っている。この分野は利益率が高く、新製品のAMDのシェアは40%以上ある」と分析。ここで後発メーカーとなったインテルは不利な状況にあり、PC中心のマーケットで戦うだけでは限界があるとして、「利益の成長を続けるのは苦戦するだろう」と述べた。
さらに、米マイクロソフトが新OS(基本ソフト)「ビスタ」発売を2006年秋から2007年初めに延期したこともインテルに大きな影響をもたらす見通しだが、豊崎社長は「発売延期で消費者がPCを買い控え、年末商戦に期待していたPCメーカーも動きづらくなり、MPUの販売不振につながる」と懸念を示した。
好対照のTI決算
インテルの決算と好対照だったのは、携帯電話機用半導体メーカーで世界最大の米テキサス・インスツルメンツ(TI)。TIが18日発表した2006年第1四半期(1−3月)決算は、前年同期比42%増益だった。豊崎社長は「明暗が分かれたのは、市場の構造が全く違うためだ」と説明、それぞれの注力分野であるPCと携帯は市場構造が二極化していると指摘した。
TIが特化する携帯電話市場は世界的に需要が拡大しており、携帯電話の機能の進化はすさまじい。TIの持つ製品群は第2世代用から第3世代用まで幅広く、それぞれにおいて高いシェアを持つことから、同社長は「当面は高収益を保つことが可能」と予想した。TIと深い関係にある半導体設計大手の英ARMの決算が大幅増益だったのは、TIの事業拡大の恩恵を受けているためと解説した。
06年は1ケタ台後半成長
2006年の世界半導体市場について豊崎社長は、「非常に明るい見通しを持っている」と語った。需要が急拡大しているNAND型フラッシュメモリー(電気的に一括消却・再書き込み可能なメモリー)がけん引するほか、市場に占める比率の高いDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)も安定成長が続くためで、「1ケタ台半ば以上の伸び率となるだろう」との見通しを示した。
米IT調査会社ガートナーによると、2005年の世界半導体市場は前年比5.7%増の2350億ドル(約27兆250億円、1ドル=115円換算)と過去最高だった。
半導体市場の成長とかかわりの深い半導体製造装置業界についても、豊崎社長は、06年中は好調が続くと予測した。3月の北米半導体製造装置の受注額(3カ月平均、速報値)は1.04と、4カ月連続で改善。BBレシオは出荷額に対する受注額の割合を示すもので、1.00以上のレシオは受注額が出荷額を上回ったことを示す。半導体メーカーが増産のために設備投資を続けていることが背景にある。同社長は、「BBレシオは今年いっぱいは1.00台を維持できるだろう」との見方を示した。