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<イラン>石油取引所を開設 ユーロ建てで米国に挑戦か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060417-00000051-mai-int
【テヘラン春日孝之】石油大国のイランが石油取引所の国内開設を目指している。取引の通貨がユーロになるとの情報が流れ、オイルダラーに依存する米国の「ドル支配体制」への挑戦ではないかと観測を呼んでいる。計画最高責任者のアゼンプール元石油省次官(55)は毎日新聞の取材に「いかなる通貨も強制しない。取引所を『政治の道具』にするつもりはない」と強調した。
イランは第3次開発計画(00〜05年)の中で取引所開設構想を打ち出した。今年3月までにペルシャ湾キシュ島に開設する予定だったが、イランは今年1月に開設延期を発表、取引所の運営を「国営」から「民間」に変更する法改正をした。アゼンプール氏によると今年中に開設したいという。
ニューヨークとロンドンの世界の2大石油取引所はドル建てだ。イランにユーロ建ての指標ができ、原油高でカネ余りのペルシャ湾岸産油国や投資家が活用して「ドル離れ」が進めばドルは下落する。関係者の間では、「オイルユーロ」への移行はドル暴落を招き、世界経済の覇権を握る米国の地位の弱体化につながるとの指摘が出ている。
アゼンプール氏は、国家歳入の6割以上を石油に依存するイランで石油省、商業省、鉱工業省の各次官を歴任した大物だ。同氏は取材に「石油の現物だけでなく、投資目的の先物なども扱う」と取引所が相応の規模になることを示唆した。取引通貨については「取引の当事者次第だ」と述べる一方、「中国が世界経済の最強国になれば人民元を使うだろう」と付け加えた。
イランの貿易は全体の45%がユーロ圏相手だが、現在の石油取引はすべてドル建てで、外貨準備も6割がドルだ。また、ペルシャ湾岸諸国は自国通貨のレートがドルに連動する制度を採用しているため、ドル下落は自国通貨の価値低下を意味する。核開発問題で米欧の非難を浴びるイランの取引所にどれほどの「顧客」がつくか、疑問視する向きも多い。
ただ、隣国イラクの旧フセイン政権は00年11月に石油取引をドルからユーロに転換した。国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。米国は03年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経過がある。
最近、湾岸諸国をはじめ主要新興国がドル中心の外貨準備構成を見直し、一部をユーロに移す方針を相次いで示唆している。こうした中、イランの石油取引所の開設は「米国に弓を引く行為にほかならない」(欧州在住エコノミスト)とされ、米国がイランへのいら立ちを強める一因になっている可能性はある。
(毎日新聞) - 4月17日15時8分更新