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原油高 天井見えず 北海70ドル突破 イラン核で思惑買い加速
イランの核開発問題などを背景にした原油価格の上昇に歯止めがかからない。十三日のロンドン国際石油取引所(IPE)で北海ブレント原油先物相場が初めて一バレル=七〇ドル台に乗せたほか、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物市場でも約七カ月半ぶりの高値をつけた。これを受けた十四日の東京工業品取引所も、中東産原油が今月に入って六回目の最高値になるなど国内景気に水を差す恐れも出ている。(高橋俊一、村山繁)
イランは日量三百八十万バレルを生産する石油輸出国機構(OPEC)第二の産油国。現時点で原油は滞りなく供給されているが、仮に支障が出れば世界の原油市場への影響が避けられない。
欧米諸国の反対にもかかわらず、イランは「ウラン濃縮活動を続ける」との強硬姿勢を崩しておらず、緊張は高まる一方。このため「相場はまだ上昇する」(市場関係者)との思惑から巨額の投機資金も流入している。
投機資金の流入はブレントの相場上昇の動きをみてもうかがえる。
ブレントはNYMEXの米国産標準油種(WTI)、アジア市場の中東産ドバイ原油と並ぶ原油相場の三大国際指標だが、原油の品質などの差からWTIより数ドル安い傾向があった。しかし、このところWTIを上回る価格で取引されることも多くなっている。
核開発問題にかかわるイランの発言や行動がエスカレートするのと歩調をあわせるように、原油価格が上昇してきただけに、今後もこうした姿勢が続く限り「相場は上がっていく」(日本エネルギー経済研究所の小山堅・研究理事)との見方が多い。実際の原油供給に支障は出ていないため、一方的な相場上昇には疑問の声もあるが、イランをめぐって緊張が高まれば、上昇に向かう地合いにある。
石油関連施設への攻撃が続くナイジェリア情勢や、米国のガソリン在庫の減少など原油の需給に影響しかねない問題も少なくないだけに、原油価格の高騰は長期化の様相を帯びそうだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/15kei001.htm