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http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=a87NC8tsNZ4I&refer=jp_us
東南アジアのイスラム系ファンド:投資に宗教上の制約、原油高に注目
4月13日(ブルームバーグ):原油相場の上昇を背景に、カジノや大半の金融機関への投資が禁止されているイスラム系株式ファンドの資金が、エネルギー関連企業に向けられている。
78億ドル(約9200億円)を運用するシンガポールのDBSアセット・マネジメントの株式担当チーフストラテジスト、ピーター・チャン氏は「石油関連株こそイスラム系ファンドにふさわしい投資先だ」と指摘する。同氏は、東南アジアのイスラム系ファンドのうち過去1年間で最高の収益率を達成した「メンダキ・グローバル」を運用する。「依然、多少の上昇余地があるエネルギー関連の株式投資で利益を上げている」と語った。
東南アジアのイスラム系株式ファンドは50に上り、3年前と比較して40%増加している。英HSBCホールディングスや東南アジア最大の投資銀行CIMBグループなどは、増加する東南アジアのイスラム教徒の資産を狙い、イスラム法に準拠した住宅ローンや融資の提供を拡大している。
イスラム法では、利子の支払いが禁止されているほか、たばこやアルコール、賭博関連企業への投資が禁じられている。シンガポールやマレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナム、ラオス、ミャンマーを含む東南アジア諸国には世界のイスラム教徒150万人の3分の1が居住する。
マレーシアのクアラルンプールに拠点を置く「イスラム金融サービス委員会(IFSB)」とサウジアラビアのイスラム開発銀行が1月に発表したリポートによると、銀行のほか運用会社や保険会社の資金を含む世界のイスラム系金融業界の資産は7000億−1兆ドルに上る。
「好調な需要」
HSBCインシュアランス(シンガポール)のジェーソン・サドラー最高経営責任者(CEO)は、HSBCが提供する「イスラム系投資・保険商品の需要は好調だ」と語る。同氏は資産規模1億500万ドルの「タカフル・グローバル」などのイスラム系ファンドを運用する。同氏によると、シンガポール政府運営の 1200億シンガポール・ドル(約8兆8300億円)の年金計画のうち、イスラム教徒の資金は約100億シンガポール・ドルを占め、この市場は「開拓が非常に遅れている」と指摘する。
ブルームバーグが調査した東南アジアのイスラム系ファンドの資産規模は「ケナンガ・シャリーア・グロース・ファンド」の29万2000ドルから「パブリック・イッティカル・ファンド」の3億2700万ドルまでさまざまだ。両ファンドはクアラルンプールを拠点とし、投資先はマレーシア企業に限られる。イスラム系ファンドにはイスラム教徒だけではなくすべての投資家が投資できる。
DBSのチャン氏は「イスラム系ファンドは、多くの投資家にとってまだ関心事にはなっていない。ただ、その状況は徐々に変化し始めている」とみている。資産規模230億ドルの「メンダキ・グローバル」の過去1年間のリターン(投資収益率)は22%。同ファンドが指標とするMSCI世界指数の上昇率は19%だった。
「特定のテーマ」
チャン氏は、米エクソン・モービルなどの石油メジャー株を購入するよりは「深海掘削などエネルギー業界で特定のテーマを決めて投資する」と語る。「深海掘削の分野へは長期間投資されていなかったため業界の成長ペースはずっと速い」との見方を示す。
油田サービス関連株に連動する米上場投資信託(ETF)、「オイルサービス・ホールダーズ・トラスト」の過去1年間の上昇率は56%。一方、エクソン株の上昇率は2.8%だった。また、沖合掘削会社の米トランスオーシャンは57%高騰した。HSBCが1月に発表した「タカフル・グローバル」の最新データによると、同ファンドの投資先には石油最大手3社のエクソン、英BP、米シェブロンが含まれる。エネルギー、テクノロジー、ヘルスケア関連株が同ファンドのポートフォリオの約60%を占める。