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□名門・帝国ホテルの意地 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1821352/detail
名門・帝国ホテルの意地
昨年11月15日、開業から115年になる帝国ホテルは名実ともに国内トップのホテルであることを天下に示した。
この日、紀宮さまと東京都職員・黒田慶樹さんの結婚披露宴が同ホテルで執り行われたのである。近年の外資系高級ホテルの東京上陸ラッシュで激しい戦いを繰り広げる帝国にとって、名門ホテルの“意地”を見せつけた日でもあった。
そしてきょう31日、帝国は改修を終えた本館12階客室を大々的にリニューアルオープンした。これは、総額170億円を投じて実施中の本館大規模改修(03〜08年度)の第2弾。昨春までに終えた特別階「インペリアルフロア」(14〜16階)に続くものだ。
帝国独自のノウハウを十分生かし、中心顧客層である国内外のビジネスエグゼクティブの要望に応えようとしている。エレベーターホールにカードキー対応のセキュリティーエントランスを設けて安全面を強化。室内ではシャワーエリアとバスタブ一体型のバスルームに改修。空調は日本のホテル初という、除菌や脱臭効果のある光触媒による空気浄化ユニットとマイナスイオン発生器を設置。このほか5本の通信回線、ノート型パソコンを充電しながら収納できるセーフティーボックスなども設けた。
「今後は残る6フロアに加えて、宴会場やレストラン、厨房などの改修に取りかかります。具体的なプランはこれから詰めることになりますが、お客さまに喜んでいただけるものにしたいと考えています」(帝国ホテル広報担当者)
こうした手を繰り出して帝国ホテルは、ライバルの外資系ホテルに反撃できるか。
ホテル業界に詳しい経済ジャーナリストがこう言う。
「グランドハイアット東京やフォーシーズンホテル丸の内東京など外資系超高級ホテル内の基調は邸宅感覚の21世紀型ダークブラウン。帝国も第1弾は同じ基調で対抗しようとしていたが、本館12階は柔らかみのある上質のホワイトモダン。超高級ホテルでの差別化を意図しているといえます」
一方で弱点もある。そのひとつが客室スペース。
「外資系の標準タイプは50から70平方メートルあるのに、帝国の場合36から42平方メートルしかない。この差は部屋の合併が一部にあっても改装ではなかなか埋めがたい」(前出の経済ジャーナリスト)
ホテルのグレードが客室単価を左右する。外資系では1泊平均5万円、6万円台という高額料金を定着させているが、帝国では2.8万円前後。これから開業が予定される外資系高級ホテルの大半が狙う単価は帝国の上になる。当然、最上客はグレードの高い方に向かう。
帝国は意地と誇りで富裕層をどう取り込むか。
【2006年3月31日掲載】
2006年04月03日10時00分