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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu116.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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バーナンキは雇用と物価双方に重点を置くか首尾一貫した
インフレターゲットの援用が可能である、と断言している。
2006年3月30日 木曜日
◆景気減速と利上げの板挟み 引き締め継続示唆のFRB
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060329-00000182-kyodo-bus_all
【ワシントン29日共同】バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長にとって最初の連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場の予想通り0・25%の追加利上げとなった。FOMC声明は今後の景気減速を見通す一方で、原油高などによるインフレリスクを強調し、引き締め継続を示唆。新体制のFRBは金融政策のかじ取りでジレンマに直面しているようだ。
米国経済は自動車販売の落ち込みが響き昨年10−12月期に実質年率1・6%成長と急ブレーキがかかったが、足元の今年1−3月期は「4・5−5・5%程度へ加速する」との見方が金融市場では広がっている。
(共同通信) - 3月29日18時43分更新
◆バーナンキのインフレターゲット論の復習 2005年12月5日 田中秀臣
http://blog.goo.ne.jp/hwj-tanaka/e/da49736cae537b77b9cc42109081632f
ベン・バーナンキはFRB議長指名を受けての上院銀行委員会の公聴会においてグリーンスパン路線の継承を約束した。バーナンキは90年代からグリーンスパン後の金融政策のあり方のひとつとして、インフレターゲット政策を採用すべきだとする論陣を張っていた。
この上院での証言では、まさに物価安定と経済成長の安定、そして市場とのコミュニケーションを円滑に行うためにインフレターゲット導入が必要であると、バーナンキは力強く述べた。
このバーナンキ証言に対して、委員会のメンバーからインフレターゲットを採用することで物価安定が優先されてしまい雇用の確保が保たれないのではないか、という質問がだされた。それに対してバーナンキはインフレターゲットは物価と雇用の安定に共に貢献することができると言い切っている。
インフレターゲットとは、改めて定義すると、インフレ率の一定の範囲(例えば2〜4%)におさえることを中央銀行が公表し、その達成のために必要な金融政策を行うことである。ただしバーナンキ自身がかって言ったように何がなんでもインフレ率の達成にこだわるような、「インフレ狂のいかれぽんち」に陥ることはない。
バーナンキ自身は、現実の経済は非常に複雑であり、また不確実性を伴うものであるので、しばしばいわれる金融政策とその政策担当者を「自動車と運転手」の関係に喩えるのは誤りであると述べている(講演「金融政策の論理」2004年12月2日)。
なぜなら運転手は自分の走行中におこることがらをかなりの程度予測して運転しているが、金融政策の担当者には四半期先の予想でさえも困難なことが多い。確かに金融政策を通じて中央銀行は経済主体の予想に働きかけることができるが、それがどのように現実の経済に反作用するかを見極めることは実に難しい。
しかしそれだからこそこの複雑で不確実な経済において経済主体の予想に働きかける政策の方が、それを考慮しない政策よりも重要になる。なぜなら主体がどのように政策に反応するかの理解を欠いた政策実行は予期しない失敗を引きおこすからである。
そして経済主体の予想形成とその経済への反作用をしっかりと政策当局が見極めるためには、予想をベースにした政策の実行とともに市場参加者と中央銀行とのコミュニケーションがきわめて重要になる、とバーナンキは述べている。
そして中央銀行は市場に対してその政策の目的や予測を伝えることで、市場からのリアクションに対して柔軟に対応するべきである、とも述べている。これらの政策に対する基本姿勢は、彼のインフレターゲット論の中にいかんなく反映されている。 (中略)
第二の要素のコミュニケーション戦略であるが、これはすでに自動車と運転手の比喩の話で触れたように、中央銀行が国民や市場参加者に対して政策目標、フレームワーク、経済予測を事前に公表することで、中央銀行の政策に対する信頼を醸成し、さらに政策責任の明確化と政策の決定過程とその帰結の透明性をはかろうというものである。
このことが自動車と運転手の比喩でも問題となった経済の不確実性について、少なくとも政策当事者の行動とそれを予測する民間主体の不確実性を大幅に減少することは疑いがないであろう。
ところでこの「ベスト・プラクティス」としてのインフレターゲットがアメリカに導入される見込みはどうであろうか。従来、インフレターゲット導入への反対の論拠として、連邦準備制度の目的規定(連邦準備法2A条)とのダブルスタンダードになるという点をあげて反論するのが一般的であった。
「連邦準備制度理事会及び連邦公開市場委員会は最大雇用、物価の安定及び緩やかな長期金利という目標を有効的に推進するために、生産を増加する経済の長期的潜在性と均衡する通貨及び信用総量の長期的成長を維持する」
と連邦準備法にある。これはかってのハンフリー・ホーキンズ法の趣旨を反映した条文であるが、議会にもこの雇用と物価の両方への重視が強いことはすでに述べた。このようなダブルスタンダード批判について、バーナンキはここでインフレターゲットの柔軟性を強調し、雇用と物価双方にどんなウェイトづけを行っても首尾一貫したインフレターゲットの援用が可能である、と断言している。バーナンキ議長の意思が強固なことが伺われる。
今後、アメリカでインフレターゲット導入の議論が高まることは当然に予想される。この議論が高まることによって日本においても同様の議論が高まることが予想されよう。実際に政府の一部では強力にインフレターゲット導入を視野にいれた日銀法改正論議まで行われようとしているようである。
すでに私はこのバーナンキ経済学を通して、日本銀行がその政策の説明責任、透明性、そして経済主体の予想形成、ほぼすべてにおいて稚拙な決定の連続であり、また今日においても外的な要因が重なっただけで金融政策のレジーム転換なきまま景気回復がある現状も指摘した。
簡単にいえば、丸山真男が過去に指摘した官僚的な「無責任主義」がまだ日本銀行とその利益団体ともいえる日銀シンパのエコノミストに根強い。この無責任主義を打破するためにもインフレターゲットの導入とそれによるリフレマインドの形成が日本社会にいま最も望まれているように思われる。
福井日銀総裁は市場との対話が出来るだろうか?
(私のコメント)
先週のNHKの「クローズアップ現代」に日銀の福井総裁が出ていましたが、インタビューの最後でバブルの発生と崩壊の過程での日銀の金融政策の誤りを認めていました。それは物価水準だけに気をとられていて、バブルの発生に気がつくのに遅すぎて金融の引き締めが遅れて、株と土地の相場だけが暴走してしまった。
それに対して三重野日銀総裁は「平成の鬼平」と言われてバブル潰しに出ましたが、今度は景気がクラッシュ状態なのに金融を引き締めすぎて金利の引き下げが遅れてしまった。まさに下手糞なドライバーの運転そのものでしたが、日銀は景気の先行きを見ながら金融をコントロールしていかなければならない。
10年前の日銀は景気の現状そのものも掴みきれなかったのですが、経済指標は3ヶ月前のものが出るから、景気の変動が大きい場合にはどうしても判断の遅れが出てしまう。だから市場との対話を進めながら現状を把握する必要があるのですが、政府日銀はどうしても一部大手輸出企業からの情報に偏りすぎているように思える。
またマスコミは政府や日銀の発表を記事にするだけで景気の状況をまともに調べないようだ。しかし現場の状況を調べようにも本当の景気の実態を知っているのは経営者と経理担当者の一部だけなのですが、なかなか本当のことは言わない事が多い。たとえば昨日まで派手に宣伝していた企業が突然倒産したりしているから実態が分からないのだ。
私は株式相場が一番景気の実態に近いのではないかと思うのですが、アメリカのグリーンスパンFRB議長は株式相場を横目で見ながら金融政策を行なっていた。しかし日本の政府や日銀は株価に無関心を装って金融政策を誤ってきたのですが、株式相場が分からなければ経済政策が出来るはずがないのだ。三重野日銀総裁は株式相場をまったく無視して失敗したのだ。
速水日銀総裁も同じ間違いをして景気の低迷を長引かせてしまった。ゼロ金利解除がその例ですが、景気が回復し始めると金融を引き締めて景気回復の芽を潰してしまった。株価は最悪の状況から戻しているだけであり、土地の価格はいまだに下落を続けており、土地が底を打たなければ本格的な景気の回復はないだろう。
東京の一部では土地の価格が上がり始めましたが、これが全国に波及していけば景気回復がはっきりとしてくる。しかしアパート・マンションの賃貸相場や貸しビルの賃貸相場などはじりじりと下げ続けており、金回りは相変わらず厳しい。やはり土地の価格が上がらないと担保価値も上がらず銀行の貸し出しも伸びない。あくまでも日本の金融の基本は土地担保金融なのだ。
アメリカではバーナンキFRB議長が金利を小刻みに上げましたが、これは景気後退懸念よりも原油の値上がりによるインフレの抑制に重点を置いた政策だろう。日本でも原油の値上がりでインフレ気味になるかと思っていたのですが、デフレ傾向は続いている。消費がそれ以上に低迷しているから値上げをすると売上げが落ちてしまう。
小泉内閣は財務省の財政再建路線で増税を打ち出しているから、増税した分の消費が落ち込み、税収も落ち込むだろう。小泉構造改革の結果、所得が落ち込み消費も減った。雇用情勢はいくらか持ち直しましたが、賃金の上昇には結びついていない。グローバル経済で中国の低賃金に引っ張られてしまうのだ。
土地や株といった資産が暴落して賃金もカットされては消費は伸びるわけがありませんが、アメリカは土地も株も堅調だから少しぐらいの引き締めでも景気の底割れはない。バーナンキは日本の資産暴落の恐ろしさを知っているから三重野総裁のようなバブル潰しはしないだろう。しかし当時の日本のマスコミはバブルを潰せと言う大合唱を行なった。それは日銀の主張でもあったのだ。
小泉首相は経済の事は分からないと自ら言っているから丸投げしているが、経済の事が分かる首相ならば株や土地が安定して上昇する政策をとるはずだ。そうすれば日本の金融も安定して伸びるだろう。そうなれば日本のデフレも解消する。次の首相にはぜひとも経済の事が分かる人になって欲しいものだ。