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M3マネーサプライ指標の発表中止、有効性の低下が理由=FRB議長 2006年03月15日09時25分
[ワシントン 14日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は、FRBがマネーサプライ指標でM3の発表を取り止めたことについて、政策立案者にとって有効性が無くなったことが理由だと述べた。14日に公開された議員宛て書簡で明らかになった。
同議長は「理事会では、M3の集計を中止しても、FRBの金融政策立案にとって有益な情報が奪われることにはならないとの判断を下した」と述べた。
FRBは昨年11月10日、2006年3月23日以降のM3マネーサプライ発表を中止すると発表。これに対し、一部では批判の声も出ていたが、同指標が特に有用ではないとのFRBの考えに大半のエコノミストは賛同している。
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200603150023.html
Release Date: November 10, 2005, revised March 9, 2006
Discontinuance of M3
On March 23, 2006, the Board of Governors of the Federal Reserve System will cease publication of the M3 monetary aggregate. The Board will also cease publishing the following components: large-denomination time deposits, repurchase agreements (RPs), and Eurodollars. The Board will continue to publish institutional money market mutual funds as a memorandum item in this release.
Measures of large-denomination time deposits will continue to be published by the Board in the Flow of Funds Accounts (Z.1 release) on a quarterly basis and in the H.8 release on a weekly basis (for commercial banks).
M3 does not appear to convey any additional information about economic activity that is not already embodied in M2 and has not played a role in the monetary policy process for many years. Consequently, the Board judged that the costs of collecting the underlying data and publishing M3 outweigh the benefits.
http://www.federalreserve.gov/releases/h6/discm3.htm
株式投資レポート>米国株式投資の基礎知識講座!>第30回
■第30回 代表的な経済指標(4)
前回に引き続き、今回は、代表的な経済指標のうち、「マネーサプライ」についてご説明いたします。
☆マネーサプライ
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発表主体:FRB(米連邦準備制度理事会)
発表日:毎週一回
(月曜日に終わる1週間の平均残高を翌週の木曜日に発表)
マネーサプライとは、民間部門が保有する現金・預金の合計のことです。
定義は、下記の通り(米国の場合)。
(M1)現金・流動性預金
(M2)M1+貯蓄性預金・小口定期預金
(M3)M2+大口定期預金
M1が一番狭義のマネーサプライで、現金等の流動性がもっとも高い「おカネ」。
M2にはM1よりは少し換金性の落ちる商品が加えられ、
M3は換金性はやや低いとはいえ、ほぼ「おカネ」としてカウントしても問題ないだろう・・・というものが加えられています。
米国マネーサプライは、こちら(FRBが週次で発表)
http://www.federalreserve.gov/releases/h6/hist/h6hist10.txt
【マネーサプライと中央銀行】
マネーサプライとは、経済理論上、大変重要な指標であり、中央銀行が最も重要視しているデータの一つです。
景気が悪い
→中央銀行、金利の引下げを実施(FFレート誘導目標、公定歩合の引下げ等)
=民間の資金ニーズを喚起(資金調達コストが下がる)
→銀行、積極的に貸し出し
→マネーサプライの増加
という循環になります。
マネーサプライが増えるということは、世の中のおカネが増えることを意味し、景気が好くなる方向にあると一般的には言うことができます。
すなわち、マネーサプライという、景気の実態を把握しやすい指標を通じ、中央銀行は景気の動きや自らの行った政策の効果を測定してるのです。
【マネーサプライと投資家】
では、投資家はこのマネーサプライをみて、どのように活用することができるのでしょうか?
前述いたしましたように、マネーサプライが増加傾向にあるということは、景気が良くなる方向にあると判断できます。
また、あくまで過去の実績に過ぎませんが、マネーサプライ動向と、NYダウ、米国債利回りとの間にはかなり強い相関関係・逆相関関係があるようです。
米国債利回りとマネーサプライ=逆相関関係
国債利回りが低下=>マネーサプライが上昇
国債利回りが上昇=>マネーサプライが低下
なお、期間的には、米国債利回りがまず低下し、その後マネーサプライが変動するケースが多いようです。
マネーサプライの伸び率(前年同期比)とNYダウ=相関関係
マネーサプライの伸び率が増加 =>NYダウが上昇
マネーサプライの伸び率が減少もしくは鈍化 =>NYダウが下落
こちらは、マネーサプライの伸び率が約半年程度先行して動くことが多いといわれています。
マネーサプライの伸び率が力強く続伸していれば積極的に購入し、マネーサプライの伸び率が鈍化してきたら逆に売る・・・という戦略もあるかもしれません。
http://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/Report/V_VIL_ReportB_30.html
2006年2月15日のアメリカ下院議会おけるRon Paul議員の演説は、”The End of Dollar Hegemony”( ドルによる支配の終焉)と題するもの。He said "The problem is, it can't last."
http://www.house.gov/paul/congrec/congrec2006/cr021506.htm
今年3月、イランのユーロ建て石油取引開始、FRBによるM3データの公表取りやめ、世界を混乱させそうな情報が飛び交っている。
一蓮托生、日本経済のこれからを考える上で参考になるのは、所得倍増計画の立案者・下村治の言葉だろう。
「世界中がアメリカの砂上の楼閣に支えられて、見せ掛けの繁栄を築いているのだから、この砂上の楼閣が崩れれば、見せ掛けの繁栄も崩壊するのは当然であろう。
つまり、今までの状態はどうかというと、アメリカが無理をして急膨張したために世界中が引き上げられ、調子がよくなっていたにすぎない。世界中がアメリカへの輸出を増やし、輸出主導による経済成長を享受しているにすぎないのである。そのためにアメリカは巨額な国際収支赤字になっているのだ。それなのに、不況にならないでアメリカの赤字を解消するというのは虫がよすぎる。アメリカが双子の赤字をなくすということは、世界の好況をささえてきたこれまでの無理をやめるということなのだから、世界経済が逆戻りすることは当然のことだ。不況に直面することは不可避である。
では、そうなった場合、日本の経済はどうなるだろうか。
いうまでもなく厳しい不況が起こるだろう。生産物の五割も六割もアメリカに輸出しているような企業は、これがいっぺんになくなるということだから、たとえ大企業であっても持ちこたえることは困難であろう。特に、アメリカ向けの輸出が永続するものと期待して設備投資を行い、給料も引き上げたというような企業はあぶない。」
(下村治「日本は悪くない 悪いのはアメリカだ」文芸春秋NESCO、1987、p207)
http://www.kanazawa-bidai.ac.jp/~momo/energyj.htm
“We will run out of funds for financing the government operations by mid-March at the latest even if the U.S. Department of the Treasury takes all possible legal measures to keep the foreign debt ceiling from going up,” says Snow. Under his scenario, the government will have to take “emergency measures” to pay the bills. The measures mostly boil down to cutting the spending in all areas from social sector to national security.
Besides, the U.S. Federal Reserve is going to stop publishing the so-called “M 3 aggregate” reports i.e. data on increase rates in money supply. Given the New Year's predictions by John Snow, the Fed's intentions look pretty suspicious. In other words, the international community will have no tool for measuring a real value of the dollar. Russia has no reason to panic over the coming changes since it keeps its M 3 aggregate data in the dark too.
http://english.pravda.ru/world/americas/9505-1/
関連投稿
仏のシンクタンクの警告:世界的システムの破裂/3月20ー26日 国際政治のターニング・ポイント
http://www.asyura2.com/0601/war78/msg/731.html
(私のコメント)
ロイターの記事ではM3が有用でないとのFRBの主張は3月14日の書簡で明らかになったとのことだが、FRBのwebページでは同じ趣旨が昨年11月10日に公表され今年3月9日に改訂されている(3/9の改訂前は確認していないからわからない)ページで述べられている。M3マネーサプライの数値が有用でないかどうかは私は経済学者ではないので即答できないが、楽天証券のHPのわかりやすい説明によるとM2とM3の違いは大口定期預金の様だ。これがマネーサプライの指標として無用と言う意見にはやはり疑問を感じる。1/14付けのプラウダの記事はフランスのシンクタンクの警告と同様にイランのユーロ建て石油輸出開始とFRBのM3公表停止を取り上げて米国ドルの3月の下落を予告するが、その中でM3の公表中止について「FRBの意図は極めて疑わしく、国際社会はドルの真の価値を評価するための指標を失う」と記述している。
やはり、金沢美大の大谷正幸助教授(工学博士)も言うとおり、砂上の楼閣が崩れ去り世界的大恐慌がやってくるのは避けられないと確信する。上記ロイターの記事は、M3が経済指標として重要であることを知る知的階級の人々にだけ大恐慌の到来を知らせるための報道なのだろう。
2/27集計、3/9発表のM2とM3はそれぞれ6788.5と10360.7(単位は十億ドル)である。3/6集計、3/16発表がM3の最後のデータとなり、3/13集計、3/23発表からはM2だけが発表されることになるのだろう。ちなみにM2,M3は1981年1月5日集計データでは1596.6と2001.1、2001年9月10日集計では5288.1と7738.1となっている。つまり、FRBがM3をどんなに増大させても分からない恐るべき時代が3/7から始まっているのだ。米国株式市場の指標と考えられるS&P500指数は3/9の1,272.23から急に上昇し始めて3/14に年初来高値の1,297.48をつけているが、これはFRBによるマネーサプライの増加が既に行われていることによるものかもしれない。