★阿修羅♪ > 国家破産45 > 591.html
 ★阿修羅♪
『株主民主主義』が日本を救う!? 『1株』に『1票』の力 【東京新聞】
http://www.asyura2.com/0601/hasan45/msg/591.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 3 月 12 日 16:40:36: ogcGl0q1DMbpk
 

『株主民主主義』が日本を救う!?
『1株』に『1票』の力

■M&Aのプロ 岩崎日出俊氏に聞く

 インターネット証券の普及で急増した一般投資家たち。ホリエモン事件の巻き添えで「株悪玉論」のヤリ玉に挙げられたが、一方で「株主民主主義こそが日本をよくする」との主張が、じわじわと支持を広げている。中でも外資系金融機関出身のM&A(企業の合併・買収)のプロ、岩崎日出俊氏(52)は「株主の力で悪質経営者を退場させられる」と強調する。「株主民主主義」とは、いったい何か。 (市川隆太)

 ■指南書の主流は「売り抜け」狙い

 書店にずらりと並ぶ「株本」の多くは、短時間にインターネット売買するデイトレーダーの「戦略本」やプロの「投資術」。つまるところ「いかに安値で買い、高値で売り抜けるか」の指南書だ。そんな中、金融コンサルタント会社「インフィニティ」社長・岩崎氏編著のムック本「間違いだらけの株えらび」(宝島社)は「買った株は売るな」という異色の主張が目を引く。これまでに二万部が出ており、副題も「『デイトレ』『チャート分析』『推奨銘柄』では勝てません!」と刺激的だ。

 しかし、株を「売るな」とは? 岩崎氏を事務所に訪ねた。

 東京・渋谷の街並みを一望するガラス張り高層マンション。オートロックのドアを二つ通り抜けて事務所にたどりついた。

 岩崎氏は旧日本興業銀行(現みずほ銀行)勤務時代に米スタンフォード大ビジネススクールに留学。ノーベル経済学賞受賞者のウィリアム・シャープ教授に学び、MBA(経営学修士号)を得た。興銀の企業投資情報部門を経て、JPモルガン証券、メリルリンチ証券、リーマン・ブラザーズ証券でM&Aの最前線に関与してきた。

 「いかにも」な経歴から、日当たりの良い部屋で、大型高級デスクを前に、革張りのいすに腰掛ける剛腕そうな人物を思い浮かべたが、現れたのは細身の穏やかな男性で、部屋も北向きだった。「皆さん、南向きが好きですが、北向きも家具が日焼けしなくていいですよ」などと言いつつ、笑顔でお茶を出してくれる。

 ■高級車乗り回す経営者も絶えず

 だが、企業経営者たちに向ける目は厳しい。

 「株式市場は直接民主制です。投資家になることで一票を投じられる。より多くの人々が投資家となり、よい企業に票を投じれば、よい企業に資金が集まり、悪い企業の資金が枯渇する。悪い企業、悪い経営者を市場から退場させられる」

 別の著書「サバイバルとしての金融」(祥伝社)では、寝食を忘れ猛烈に働き続ける米国企業経営者を紹介している。

 「かつて、米国にも役員室に小川をこしらえたり、社用ジェット機で愛犬を獣医師に連れて行く経営者がいたが、M&Aなどで株主たちに追放され、一心不乱に働く経営者が増えた。しかし、日本には高級専用車を乗り回し、会社のカネで趣味の盆栽や絵画を買うような、会社を私物化する経営者が今もたくさんいる。企業間の株の持ち合いが、それを許してきた」と話す。

 ■好調企業に共通 社長が自ら節約

 岩崎氏はこんなエピソードも明かす。「ある勉強会で講演してもらおうと日本の自動車メーカー幹部を招いたら、パソコン操作などを手伝う“お付き社員”を二人も連れてきた。別の日に新幹線に乗ると、トヨタの奥田社長(碩氏、現・会長)が一人きりで乗ってきた。トヨタはたとえ社長でもムダな経費は使わせない証拠でしょう」「業績好調なトヨタとキヤノンの共通点は、従業員を人員整理せずにバブル崩壊後を乗り切った点だ。人員整理をリストラと言い換える経営者はだめ」「何年間も株主に配当を払わなかったり、株価が数年連続下落しても辞めない経営者は退陣しなくてはいけない」

 岩崎氏の考える「よい企業」の条件のひとつは、経営陣の私物化を排除した株主本位の企業ということらしい。だが、それだけではなさそうだ。

 「米国企業の経営陣が白人、黒人、アジア人と多様な人種で構成されているのに、日本企業は日本人ばかりで、女性役員もほとんどいない」。岩崎氏は、こういうグラスシーリング(ガラスの天井)も、株主民主主義で壊されるという。

 かつて、ヨーロッパの有名飲料メーカーがアフリカで粉ミルクを無償配布し、母親の乳が出なくなったころ合いに有料化したことがあったが、米国内で同社への大不買運動が起き、株価も暴落した。米国のビジネススクールは、この事実を厳しく教え込む。環境問題や人権問題を無視した企業は、株価暴落のしっぺ返しを受けるという厳然たる事実を。岩崎氏は「株主の力で環境問題も人権問題も解決できるはず」という。

■デイトレードは危険ギャンブル

 ところで「間違いだらけの株えらび」で主張する“株を売らない投資”とは、どういうものなのだろう。

 岩崎氏は、値動きの激しい銘柄を買ってパソコン画面とにらめっこし、値上がりの瞬間に売りさばくデイトレードを「危険なギャンブル」と断じる。過去の株価チャートから売買タイミングを見極めるテクニカル分析のことも「過去から将来を見通せる根拠はない」という。株のプロが雑誌で薦める「大化け銘柄」も、「値上がりを仕組む人々に利用されるだけだから買うべきではない」。

 「安く買って高く売る」にはこだわらず、企業業績に基づく「理論株価」より安ければ買い、上回るまでは孫子の代まで保有し続けるべきだと主張する。

 「米国では、小学校の授業で『優良企業の株を買って、持ち続けなさい』と教えているし、実際、個人資産が五兆円超で世界二位の金持ちとされるウォーレン・バフェット氏も、そういう投資方法だ。バフェット氏の過去四十年間の投資実績は平均年率22%。四十年前、彼に百万円預けた人は(複利で)今ごろ二十八億円になっている」

 ■「理論株価」指標価値を見極める
 岩崎氏が優良企業の指標とする理論株価の算出方法はホームページで公表されているが、ごく大まかには「理論株価=(企業の現在価値−債権者の取り分)÷発行済み株数」。

 「企業の現在価値」は「企業が稼ぎ出す現金(フリー・キャッシュフロー)を将来分まで足していったもの」を意味し、「営業利益など営業活動で稼いだキャッシュ」から「法人税や設備投資額など」を差し引いたものを、将来分にわたり足して得られるという。

 業績好調な企業は理論株価も上がり続けるため、結果的に、その銘柄を何十年も長期保有したり買い続けることになる。

 しかし、この方式で「買い」銘柄の企業が、環境問題の視点から悪質と判明した場合、どうするのか。岩崎氏は「その時は迷わず『売り』だ」という。「株主民主主義」の考え方からも、飲料メーカーの事例からも「『売り』が正しいことははっきりしている」。

 米国では先日も、コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)の株主らが「前会長の退職慰労金が高額すぎる」と返還訴訟を起こした。他方、財界人が一般投資家を「拝金主義」と揶揄(やゆ)してはばからない日本だが、「岩崎理論」は、どう受け止められていくのだろうか。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060312/mng_____tokuho__000.shtml

 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ HOME > 国家破産45掲示板


  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。