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(回答先: 自ら異常な政策に幕 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 3 月 10 日 09:58:25)
金利が変える生活設計 5年ぶり立ち戻る「常識」
量的緩和策の解除を一言で説明すると、金融政策の目標をお金の量から金利の上げ下げに戻したということだ。利上げも現実味を帯びてくる。日本人はこの五年間、金利そのものに鈍感になってしまったが、「ポスト量的緩和」は企業やわれわれの生活にどんな影響を与えるだろうか。
≪分かりやすく≫
「非常に分かりづらい金融政策から、今後は分かりやすい政策に戻る。これに尽きます」
日銀の福井俊彦総裁は会見で「解除による変化」をこう表現し、「異常な政策」を正常化させた安堵(あんど)感をにじませた。しかし突然、金利を上げ下げする世界への復帰を宣言されては、これまで超低金利でお金を借りていた企業や住宅ローン利用者は動揺する。そこで日銀は“経過措置”を設けた。現在のゼロ金利を「数カ月間」は続け、その後も「極めて低い金利水準」を保つ。お金を借りやすい状態はしばらく続くと考えていい。
≪いずれ適正に≫
金利には世の中のお金の流れを調節し、景気動向をコントロールする機能がある。景気回復が続く中で超低金利が長引けば、投資や消費が過熱しインフレやバブルにつながる恐れがある。このため、日銀はある段階になると「適正な水準」に利上げするはずだ。
その時期については「今秋」と予測するエコノミストが多い。
実際、利上げを予想して、企業貸し出しや住宅ローンの金利に上昇の兆しがみえ始めている。
住宅ローンでは三井住友銀行が今月から、主力商品である当初固定期間二−十年タイプの基準金利を0・1−0・15%上げ、平成十一年春以来の年2・20−3・75%とした。三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行も同様の改定を行った。量的緩和策解除を受けて、大手銀行は四月から本格的に引き上げる見通しだ。
二十年間金利固定の三千万円の住宅ローンの場合、金利が3%から3・5%に上がると、元利均等で返していくなら返済総額は約百八十万円多くなる計算だ。住宅ローンを多く抱える三十代から五十代にかけての世代への影響は大きい。
≪預金者は恩恵?≫
一方で、超低金利は預貯金の利子収入で生活してきた人に犠牲を強いてきた。バブル崩壊後、日銀は緩和政策を続けてきたが、平成三年の金利水準がその後十四年間続いたと仮定して、失われた家計の利子収入は三百四兆円に上る。この失われた利子収入が、金融機関を破綻(はたん)から救い、経営不振企業を延命させてきたといってもいい。
一年もの定期預金の金利は現在0・03%程度。一千万円預けても利息は年にわずか三千円しかつかない。預金金利が上がれば、年金生活者や退職金で老後の生活設計を描く「団塊の世代」は恩恵を受けるはずだ。
明治安田生命保険は九日、一時払い型の保険商品について、契約者に運用利回りを約束する予定利率を四月二日契約分から0・05−0・1%引き上げると発表した。量的緩和策解除に伴う将来の金利上昇に対応した動きで、すでに日本生命保険も二月に同様の引き上げを実施している。
量的緩和の副作用は、低金利で借りやすい状況が未来永劫(えいごう)続くという錯覚を世間に広めてしまったことだ。経営コンサルタントの小宮一慶さんは、これを「負債への甘えの構造」と呼ぶ。
金利は経済の体力や借り手の信用力に見合った水準に落ち着くものだ。その水準に応じて将来設計に必要な資金調達を行う−。ゼロ金利時代に忘れた「常識」に立ち戻る必要がありそうだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/10iti002.htm