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今期配当、倍増相次ぐ――上場企業総額3兆8400億円、好調な業績映す。
野村20→48円 JFE45→100円
好調な業績を映して大幅な増配に踏み切る上場企業が相次いでいる。野村ホールディングスやJFEホールディングスが二〇〇六年三月期の年間配当を二倍強に増やすほか、住友商事やNTTドコモも倍増させる。
増配を求める外国人や個人投資家が株式市場で存在感を増していることに加え、余剰資金を減らして企業買収に備える狙いもある。利益からの配分率を示す配当性向はなお欧米を下回っており、積極的な増配に動く企業が増える可能性もある。(配当性向は3面「きょうのことば」参照)
アドバンテストは七日、二〇〇六年三月期の年間配当を前期比二十円増の七十円に増やすと発表した。携帯音楽プレーヤー向けフラッシュメモリーなど半導体の需要拡大を背景に主力の半導体試験装置が好調で、期初の減益予想から一転、連結純利益が八%増の四百十億円程度になる見通し。増配は三期連続で、年七十円配はIT(情報技術)バブル期の二〇〇一年三月期の五十円を上回り過去最高となる。
CSKホールディングスも前期の十七円から三十五―四十円に増やす見通し。三期連続で最高益を更新することがほぼ確実となったためだ。
企業が相次いで配当目標を導入していることも増配を後押しする。連結配当性向一五%を目安に掲げる三菱商事は、資源高を追い風に今期の連結純利益が八六%増の三千四百億円に膨らむ見通しで、配当も前期の十八円から三十円に積み増す。株主資本に対する配当額を配当の基準とするエーザイは、年間配当を三十四円増の九十円に増やす。
積極的な「日本株買い」を進める海外の機関投資家が、余剰資金の使い道に厳しい目を向けていることも大幅増配が相次ぐ一因とみられる。配当を大きく増やす企業の昨年九月末時点の外国人株主比率を見ると、オリックスが六〇・三%、野村が三八・八%などと、比率が高いのが目に付く。
企業が株主配分を強化し、内部留保をなるべく減らす行為には、豊富なキャッシュを狙った敵対的買収を予防する効果があるほか、配当収入を目的とする長期保有の株主を獲得する狙いもある。
上場企業(新興市場、金融除く)の〇六年三月期の配当総額は三兆八千四百七十一億円と前期比一九%増える見通しだ。しかし業績好調で純利益が増えているため、連結ベースでみた配当性向は二四・六%と前期と同水準になる。安定配当を志向する日本企業は業績拡大期には配当性向が下がる傾向があっただけに、配当による利益配分を増やそうとする経営者の意識が強まっているといえるが、欧米とは依然として格差がある。海外機関投資家からの増配要求は続きそうだ。