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2006年3月5日(日)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-03-05/2006030503_01_0.html
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新表示・「PSE」マークのない中古家電は、電気用品安全法(電安法)の販売規制の対象に入っていなかった――。日本共産党の塩川鉄也衆院議員が衆院予算委員会分科会で関係法令集を示して行った追及(一日)は、中古家電販売禁止問題に揺れる関係業者を励ましています。しかも、経済産業省の対応を検証していくと、法施行から四年余にわたって、中古家電を規制対象にする動きもなければ、周知活動もまったくやられていなかったことがわかりました。(中東 久直)
電安法(二〇〇一年施行)により、PSEマーク貼付のない中古家電などが四月一日から売れなくなる――。こんな話が関係者に伝わったのはことし二月。まさに寝耳に水の事態でした。なぜこんなことになるのか。
法的根拠示せず
塩川議員 もともと中古品は、電気用品安全法の販売規制の対象外。中古品が対象になることは、法令集のどこにも書いてない。だれが、いつ、どこで決めたのか。
迎・経済産業省商務流通審議官 改定前の電気用品取締法以来、中古品は排除されていない。その前提で行政をおこなってきた。法令集はよく確認してまいっていません。
この国会質疑で経済産業省は、行政をすすめる法的根拠を示せなかったのです。もともと一九九九年の国会審議でも「中古」は問題になっていません。
経済産業省製品安全課などが編集した解説つきの『電気用品安全法関係法令集』(二〇〇二年第1版、〇四年第2版)でも、販売禁止の対象として記述しているのは、製造メーカーの在庫のこと。中古品にはふれていません。
五年―十年の販売禁止の猶予期間がおかれた理由について法令集は次のように書いています。
「製品の流通在庫が存在すると考えられる期間」「市場での滞留期間は製品ごとにおおむね3年か5年……(メーカー在庫期間が長いもの等については10年)」
ホームページ
同法がどんなものか、誰の目にもふれることができる唯一の場が経済産業省のホームページです。
二〇〇二年五月、ホームページに掲載した「電気用品安全法の概要」(〇四年十二月更新)では、PSEマークを張れる事業者として届け出る対象を「電気用品の製造又は輸入の事業を行う者」と明記。「販売の制限」も、製造・輸入業者への「製品流通前の措置」で、中古品はまったく対象になっていません。
旧法での扱いも
「改定前の電気用品取締法以来、中古品は排除されていない」―塩川議員への経済産業省の答弁です。
実際はどうか。通産省監修の『電気用品取締法関係法令集(訂正版)』は「法施行の日以降に在庫違法電気用品を販売…取締りの対象となる」としています。
規制対象は旧法でも、中古にはふれられておらず、「在庫」のものに限定されています。
“対象”の発端は
リサイクル業界などにとって「中古品も対象」というのは考えてもみなかったことです。それもそのはず、経済産業省がホームページ上に「中古品であっても、電気用品安全法の対象です」と明示したのは二月十日です。
中古家電も対象といいだした発端はどこか。
本紙が取材した全国展開する大手リサイクル業者がいいます。「中古品は、対象外という認識だったが、念のために、昨年十一月ごろ経済産業省に照会した。しばらくして中古品も対象になると回答があった」
経済産業省が動いたのも昨年十一月です。同月初旬、一部の大手リサイクル業者にメールや手紙でPSEマークのない中古家電が売れなくなればどうなるか影響調査を実施。「家電製品の年間売り上げ七・五兆円と比べると少ない数字」という結論に至ったということです。大手業者の質問を前後して、経済産業省の検討がはじまったものとみられます。
業者に周知なし
電安法が施行された〇一年以降、経済産業省はパンフレットの作成、講習会やセミナーの開催などで周知をはかってきたといいます。しかし、リサイクル業者を直接対象にしたものは一度もなかったことを、経済産業省も認めています。
中古品販売関連の団体や業者にたいして、警察庁などの協力を得て通知をはじめたのはつい最近、二月中旬です。
法令も、行政も想定していない中古家電への規制を強行することが許されないのは明らかです。
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「中古品も対象」とされるまでの電気用品安全法(PSE法)をめぐる動き
年 月 経済産業省などの動き
1999・8 電気用品取締法が改定され、電気用品安全法が成立
2001・4 電気用品安全法が施行
2002・5 経済産業省ホームページに「電気用品安全法の概要」掲載。PSEマークをつける事業者として届け出るのは「電気用品の製造又は輸入の事業を行う者」と明記
2005・11 ・全国展開する大手リサイクル業者が、「中古品も対象になるのか」と、経済産業省に問い合わせ。しばらくして、「対象になる」と回答
・経済産業省情報通信機器課環境リサイクル室が、大手などのリサイクル業者にアンケート調査
2006・1 大手リサイクル業者が1月後半から、店頭・ホームページに、PSEマークのない家電製品の「買い取り中止」を表示
2006・2 ・東京都内などに店舗を持つ大手楽器店が1日から店頭に、PSEマークのない対象電気・電子楽器の「買い取り中止」を掲示・10日、経済産業省ホームページ上で初めて、「中古品も対象」と記載
2006・2月中旬、リサイクル関連業者に初めて、通知を始める