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米通商年次報告 日本企業の防衛策懸念
敵対的買収「対日投資妨げる」
【ワシントン=広瀬英治】米政府は1日、今年の通商課題などをまとめた2006年版の「通商年次報告」を議会に提出した。日本に対する問題点では新たに「投資」を取り上げ、敵対的買収に対する企業側の防衛策が、米企業の対日投資を妨げることに懸念を示した。
日本に対する指摘は昨年と同じ17分野。昨年までの「鉄鋼」に代えて新たに「投資」を加えた。
その中では昨年、ライブドアがニッポン放送に敵対的買収を仕掛けたことを紹介し、「これをきっかけに、大きな資本を持つ外国企業に日本企業が乗っ取られる危険性が広く語られるようになった」と分析。その上で「株式交換による企業買収は敵対的な行為ではない」「(買収に対する)防衛的な手段がなぜ必要なのか疑問がある」などと指摘した。
具体的な防衛策では、06年度に施行される会社法が、1株だけで株主総会での議決を拒否できる「黄金株」(種類株式)の譲渡制限を認めていることなどを問題視している。
また「牛肉」分野では、日本の米国産牛肉の輸入について「日本に国際基準に沿った輸入条件を認めるよう強く求める」とし、日本の輸入条件の緩和に全力を挙げる方針を示した。日本が米側の検査漏れで今年1月に輸入を再停止したことには触れていない。
日本以外では、中国を「世界貿易機関(WTO)のルールに十分従っていない」と厳しく批判し、知的財産権保護の取り締まり強化などを求めた。改善がない場合はWTOへの提訴も辞さない強い姿勢を示している。
(2006年3月2日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20060302mh13.htm