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デジカメ 国内出荷、初の減少 競争激化、再編加速も 各社、海外戦略急ぐ
フィルムカメラの市場を奪う形で高成長を続けていたデジタルカメラだが、需要が一巡したことから、平成十七年の国内出荷台数は初めて減少した。しかし、海外市場での成長はまだ続いており、国内を含めた世界出荷ベースでは、キヤノンやニコンなどが大幅な増加を確保している。このため各社は、海外戦略を充実させる一方で、国内向けには成長が期待できる一眼レフに力を入れ始めた。(大柳聡庸)
≪普及は一巡≫
カメラ映像機器工業会によると、デジカメの十七年(一−十二月)の国内出荷は、前年比1・2%減の八百四十四万台と初めて減少した。普及一巡で、新規購入が減ったことが主な要因だ。とくに減少しているのはコンパクト型。一眼レフが47・7%増加したのに対し、コンパクトは3・4%減少した。
同工業会では、十八年以降も国内出荷については減少傾向が続くとみているが、世界出荷はアジアなどが堅調で8・4%増の六千四百七十六万台と高成長を維持。当面は伸びが期待できそうだ。
需要低迷のなかで決め手となるのは、差別化できる機能。「手ぶれ補正」機能で人気機種を持つ松下電器産業の今年度(平成十七年四月−十八年三月)出荷は、倍増の四百万台を達成する見込み。
一方、ソニーの今年度の出荷台数は3・6%減の千三百五十万台の見込み。競争激化に伴い「国内で商品競争力が保てなかった」(ソニー)として、当初計画を下回る。オリンパスも9・0%減の八百十万台と減少となりそうだ。
≪一眼レフに注力≫
国内市場が飽和状態の中で、各社が力を入れるのは、アジアを中心とした海外市場と国内市場向けの一眼レフだ。
ニコンは平成十八年度の出荷を、7・5%増の九百三万台と計画するが、これは、「アジア地域や、ロシアなどは需要を開拓できる余地がある」(寺東一郎副社長)と判断したためで、海外市場開拓を強化することで成長維持を狙う。国内市場でも「コンパクトは頭打ちだが、一眼レフはまだ伸びる」(同)とみており、コンパクトの出荷計画は5%増の七百三十五万台に抑えたが、一眼レフは20%増の百六十八万台を計画する。
キヤノンも十八年の出荷を海外を中心に伸ばし、13・6%増の千九百二十万台を計画。また、一眼レフは15・8%増の二百二十万台と見通している。
一眼レフは、キヤノンとニコンの老舗二社でシェア(市場占有率)八割を占めている。これまで、レンズなど高度な光学技術が必要とされる一眼レフの領域には、大手電機メーカーの参入がなかったからだ。
≪淘汰の波≫
だが、ソニーがコニカミノルタホールディングスから一眼レフ事業の譲渡を受け、ソニーブランドでの商品投入を決定。将来的には世界の一眼レフシェアで「20%以上を目指したい」(中川裕デジタルイメージング事業本部長)考えだ。また、松下電器もオリンパスと一眼レフの共同開発を進め、市場投入を予定するなど、今後は競争の激化が予想されている。
デジカメ市場は、コニカミノルタホールディングスが撤退を決めるなど、すでに淘汰(とうた)の第一波が押し寄せているが、海外市場や高級機市場での競争激化は、業界再編を加速させる可能性もはらんでいる。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/19kei001.htm