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「1900年当時、中央銀行があった国は18カ国に過ぎませんでした。それが今や172カ国。100年後はいくつになるか。中央銀行は果たして存在しうるのでしょうか」。
英中銀イングランド銀行のマービン・キング総裁は、まだ副総裁だった1999年夏の講演で、中央銀行の未来についてこんな問いかけをしました。キング氏は学者出身で、理事で英中銀入りした金融政策の理論家。イングランド銀行が「インフレ目標政策」を導入する際に、政策手法の青写真を描いたキーパーソンで、2003年に総裁に就きました。
1999年は欧州で単一通貨ユーロが誕生し、ユーロ圏各国の金融政策は欧州中銀(ECB)に一本化され、域内の中央銀行から「金融政策決定」という仕事がなくなった年です。ドイツ連銀やフランス銀行は現在も中銀として存在しますが、極端にいえばECBが決めた政策の「実行部隊」にすぎません。キング氏が講演で言いたかったのは、経済や政治システムが変わるにつれ、中央銀行も時代やシステムに合わせて変身しなければ必要なくなる――ということです。同氏はその答として、生き残りには「開かれた心とすばしっこさ」が必要と強調しています。
本日のフロント面では、日銀がほぼ5年にわたり続けてきた金融の量的緩和政策の解除が近付く中で、どんなやり方で「平時」の金利政策に移行する道筋を描くのか、日銀ウオッチャーに予想してもらいました。量的緩和政策の仕組みや、それがどう変わるのか、ちょっと専門的な話を、金融政策を読むプロたちに分かりやすくシナリオを聞きました。
10年近いデフレに悩まされた日本経済ですが、デフレの出口が近付き、金融政策を含め様々な経済活動が平時のものに移行しつつあります。日銀がとってきた量的緩和政策はまさに、古今東西の他の中央銀行に例がない、デフレ対応の異例の金融政策です。この「有事」の政策の解除には、金融市場や経済を混乱させないような細心の注意と知恵がいるでしょう。まさに「開かれた心とすばしっこさ」を問われる局面にあるといえます。