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「中国の国営企業並み」 北尾、村上両氏が語る堀江事件【朝日】
http://www.asahi.com/business/aera/TKY200602080386.html
(2006年2月6日号)
「堀江事件」のことを聞くと、やはり立て板に水だった。北尾吉孝氏。かたや、「堀江の指南役」ともみられた村上世彰氏は「騒ぎすぎ」と。
◇
「中国の国営企業とまったく同じようなもんですね。数字がまったく分からない。ネットトレーダーもそうした危険なものには、投資しないほうがいいと思いますよ」
SBIホールディングスの北尾吉孝CEOは1月26日、自社の第3四半期決算の記者会見で、ライブドアをそう評した。
昨年、70日間余繰り広げられたライブドアとフジサンケイグループのバトルでは、北尾氏がフジのホワイトナイトとして登場。フジを土俵際まで追いつめた堀江貴文社長(当時)を瞬く間に投げ飛ばし、和解への道筋を切り開いた。
「8000億円の時価総額があった会社がどんどん下がって、上場廃止になるのは間違いない。1株あたりの純資産がどれだけあるのか分からないほど粉飾に満ち満ちた会社なので、これでは買おうにも買う人はいないでしょうな」
饒舌に堀江批判
業績以外の質問は受け付けないはずの会見だったが、記者から水をむけられると、実に饒舌。証券界の先人として「堀江事件」には一家言ある。
「株式分割で株式総数を1万倍にしたが、株式分割は本来は企業価値を上げるものではない。一時的に品薄になるから暴騰するが、その後は暴落するんです。それを知っていながら実行する。私は『清冽な資本市場の流れを汚す者』と批判してきたが、やはり、こういうことをやっていたんですね」
北尾氏がライブドアの決算資料などを調べさせたところ、おかしなことだらけだったという。
「あんだけ買収しているのに、なんで、のれん代の償却がないのか不思議だった。ライブドア証券の口座数や預かり財産がどれだけあるのか、それぞれの事業がどう成長しているのか、まったくと言っていいほど分からない。不思議な会社だな、と思っていました」
暴落するライブドア株も、底値がついたら「買い」なのだが、
「少しでも拾える会社があるかなと思いましたが、ほとんど興味ない会社集団ですなあ。ポータルとかブログとか少しは使いものになるかなと思ったが、あの会社は相当インキュベーション(孵化・育成)しないとダメ。デュー・デリジェンス(資産査定)をしないと買えないが、監査法人がまったく信用できない。となると監査の数字がまったく当てにならない。いったい何を数字の根拠とすればよいのか、分からない」
そこで冒頭の発言になる。
「昔、買いに行ったことのある中国の国営企業と同じですね」
「村上氏はメールなし」
一方、堀江容疑者のいわばメンター(指導教師)役だったM&Aコンサルティングの村上世彰代表は1月19日の金融機関主催のセミナーで、
「堀江さんが法を犯したのならば裁きを受けるべきだろう」
と言及した。自身が「先生」としてニッポン放送株の買収劇に巻き込んだせいか、
「一企業のコンプライアンスとコーポレートガバナンスの問題にすぎないのに、日本中が国を挙げて大騒ぎをしすぎている」
とも感じているようだ。
はたして、東京地検の捜査の視野に村上氏は入っているのか。
セミナーでそう尋ねられると、こう答えた。
「ボクは日本という国家を信じている。不当な国策捜査による逮捕はないと信じる。自分の役人としての経験から、日本という国はそんなに悪い国ではない」
村上ファンドは、村上氏の大学同級生の元警察庁キャリア官僚が法令遵守に目を光らせる。村上氏自身も法令遵守には異常に気を使っている。
実際、ライブドアの家宅捜索で押収された電子メールに、村上氏のものはないとみられている。
「村上さんは大丈夫か」
逮捕前の1月18日、ライブドアのナンバーツーだった宮内亮治取締役(当時)は知人にそう問われて、苦笑しながら答えたという。
「村上さんはさすがだ。跡に残るメールを一切使わない。大事な話はぜんぶ口頭だからね。あの人は証拠を残さないんだ」
(AERA編集部・大鹿靖明)