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【シカゴ=山下真一】英石油BPと米電力エジソン・インターナショナルが、米カリフォルニア州に排出ガスを極限まで減らす大型の水素発電所を建設する。投資額は十億ドル。発生する二酸化炭素(CO2)も米オキシデンタル石油が地下にある油田に送り込み、自社の原油開発に役立てる。米国では石炭発電が主流だが、環境配慮型の新型発電計画が本格始動する。
BPによると、州当局などの許可を得て二〇一一年までに発電を開始する。発電量は五十万キロワットで三十二万五千世帯に送電する。カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事も全面支援を表明した。米国が推進しているエネルギー多角化のうち、水素発電は原発よりやや割高とみられるが、環境破壊のリスクはより小さいとされる。
プロジェクトの仕組みは、まず石炭に比べ排出ガスの少ない水素をコークスから生成、これを燃焼させて発電所のガスタービンを回す。水素を生成する工程で発生する二酸化炭素は、オキシデンタル石油がパイプで地下深くの油田に注入する。二酸化炭素を半永久に閉じ込めると同時に、地下に固まった原油の粘度を下げて溶出させる効果がある。老朽化した油田の再生技術としてオキシデンタルが他の油田で実用化済みで、年間四百万トンの排出ガス削減と原油増産の“一石二鳥”を狙う。
BPは昨年十一月、排出ガスの少ない発電事業への取り組みを発表、今後十年で八十億ドルを投資する予定で今回の計画はその一環。英スコットランドでも同様の建設計画が進んでいる。
米では発電量全体の約五割を石炭が占めるが、厳しい環境対策に対応する必要が生じ、既存の石炭発電への依存を見直す動きが出ている。昨年十二月にはエネルギー省が米、中、豪の八社と炭酸ガス排出を一〇〇%抑制する石炭発電所の開発に合意した。