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新日本製鉄・アルセロール、敵対的買収に防衛条項
世界鉄鋼首位のミッタル・スチール(オランダ)から敵対的買収を提案されている同2位のアルセロール(ルクセンブルク)が、新日本製鉄との包括提携契約の中で、敵対的買収に防衛効果がある条項を設けていたことが10日、明らかになった。
例えばアルセロールが別の会社に買収された場合に、新日鉄が供与している重要技術を使わせない「拒否権」を発動できるとの内容だ。ミッタルがアルセロールの買収に成功しても、重要技術を使えないため、敵対的な買収の意欲を低下させる効果が期待できる。新日鉄が条項を発動するかどうかの判断は、世界的な鉄鋼再編に影響しそうだ。
条項は「チェンジ・オブ・コントロール」(資本拘束条項)と呼ばれる買収防衛策の一つだ。新日鉄とアルセロールは2001年1月、自動車用高級鋼板の製造技術を相互に供与するなどの包括提携を締結しており、その際に拒否権条項が設定されたとみられる。
アルセロールはミッタルから今年1月27日に受けた買収提案に強く反対。ミッタルがアルセロールの買収に成功した場合に、新日鉄が条項を発動すれば、ミッタルの傘下に入ったアルセロールは、新日鉄が供与している自動車用高級鋼板の製造技術が使えなくなる。
例えば、薄く強い鋼板の製法は、人気の低燃費車向けには欠かせない技術で、これが使えなくなれば、トヨタ自動車のフランス工場をはじめ、欧州に進出している日本自動車メーカーが求める品質を維持できなくなり、ライバルの鉄鋼メーカーに受注を奪われる可能性もある。
こうした拒否権条項は、アルセロールに対する株式公開買い付け(TOB)の実施など、ミッタルの判断にも影響を与えそうだ。ただ、新日鉄からの技術供与が停止すれば、日本の自動車メーカーの鋼板調達にも支障が出かねないため、新日鉄は難しい判断を迫られそうだ。
ミッタルによる買収提案を巡っては、新日鉄の三村明夫社長は今月2日、パリでアルセロールのギー・ドレCEO(最高経営責任者)と会談したが、アルセロール側は新日鉄に対し、友好的買収者「ホワイト・ナイト(白馬の騎士)」になってほしいとの要請まではしなかった。
(2006年2月11日3時49分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060211i201.htm