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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu113.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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小泉・竹中内閣は公共事業を1.6兆円削減しても、
その結果として税収を23兆円も失ったのです。
2006年2月10日 金曜日
◆小泉首相 財政再建は増税不可避の考え示す 衆院予算委
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060208-00000003-maip-pol
小泉純一郎首相は7日の衆院予算委員会で、財政再建問題について「歳出削減だけでは財政健全化、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の回復は困難だろう」と述べ、財政再建には増税が不可避との考えを示した。ただ、小泉首相は「残された任期はわずかだが、歳出削減に徹底して取り組む。削減の路線が確定すれば、その後、増税をしなくてはならない場合でも、幅は少なくて済む」とも述べ、あくまで歳出削減優先を強調した。民主党の岡田克也前代表の質問に答えた。
【町田明久】
(毎日新聞) - 2月8日10時1分更新
◆日本は財政危機ではなく政策危機である(EJ1765号) 2月1日 Electronic Journal
http://electronic-journal.seesaa.net/category/1083225.html
ここで今までのところを整理しておきたいと思います。現在の日本の財政の現状は、対外債権国であること、それに豊富な金融資産を有していることなどにより、純債務でみる限り財政危機ではない――そのようにいってよいと思います。
しかし、反論する向きも多いでしょう。純債務でみても2004年の純債務のGDP率は78.4%――かなり多いではないかと。確かにその通りですが、これについてはEJ第1762号で述べたように、財務省の債務のかさ上げ(2001年以降)工作の結果なのです。これを補正してみると、60%ぐらいになるのです。これなら、何も問題はないはずです。
問題は財政赤字がなぜ増えたかです。それは税収が激減していることが原因です。税収が減少している状況において増税をすれば、税収はさらに減少します。小泉政権が発足した2001年の税収は47.9兆円でした。
その前年の2000年度は、小渕政権が積極財政を展開して、橋本政権のとき3年連続で50兆円を切っていた税収を50兆円台に回復させ、国債新規発行額を4.5兆円減額させることができていたのです。
それなのに、2001年度がなぜ50兆円を大幅に割ったのかというと、小渕政権を引き継いだ森政権が緊縮財政をひき、定期預金のペイオフ解禁などを強行したためであることは既に述べた通りです。さらにその森政権を引き継いだ小泉政権が構造改革と称して2年連続してさらに緊縮財政を続けたので、2003年度に税収は遂に41.8兆円まで減少したのです。
2004年度は主として大企業のリストラ努力と若干の景気の回復基調によって45.5兆円に戻しています。デフレが進行しているときでも景気は循環しており、落ち込みがきついときは一時的に景気は浮上しますが、長続きしないのです。
小泉政権はこれを「構造改革の成果である」と自画自賛していますが、けっしてそうではなく、その証拠に2005年度は44兆円と再び落ち込んでいます。ちなみにこの税収44兆円は1986年度並みの数字なのです。構造改革によって日本経済は大きく陥没し、実に20年前の税収しか上がらない経済に落ち込ませてしまったのです。
その結果として、政府長期債務、すなわち、長期国債発行残高は、2004年度末で490兆円――2000年度末が350兆円ですから、140兆円も増加してしまっているのです。一体何のための構造改革だったのでしょうか。この状態では税収が50兆円台に戻ることはありえないのです。
追って構造改革がいかに日本経済を破壊したかについて検証しますが、小泉政権の経済政策は明らかに失政だったのです。それは税収が落ち込んで、2000年度の50兆円台に回復しない事実を見れば明らかなことです。
現政府は、2001年度から2004年度までに1.6兆円の公共事業費を圧縮したことを成果として強調しています。しかし同じ3年間の税収の累計額は23兆円にも達するのです。
2000年度の税収の50.7兆円から、2001年度〜2004年度のそれぞれの税収を引いた額を合計した数字です。
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2001年度 50.7−47.9= 2.8兆円
2002年度 50.7−44.1= 6.6兆円
2003年度 50.7−41.8= 8.9兆円
2004年度 50.7−45.5= 5.2兆円
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23.5兆円
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これによると、公共事業を1.6兆円削減しても、その結果として税収を23兆円も失ったのです。この場合、政府は1.6兆円の削減成果のみを強調し、税収の大幅減少についてはふれていませんが、あまりにも一面的な見方といえます。
デフレが進行しているときは、投資関連の財政支出は減らしてはいけないのです。少なくとも前年同額か増加させるのが常識なのです。削減してしまうと、その削減額をはるかに上回る税収の減少につながるからです。
しかし、政府はその失敗を反省するどころか、逆に改革の成果を強調して、失敗の埋め合わせに大増税をやろうとしている――理不尽な話です。しかし、それを大多数の国民は仕方がないと受け入れようとしているのです。何と寛容な国民なのでしょうか。
つまり、こういうことになります。
純債務という観点から日本の財政をみると、そのGDP比率は欧州諸国並みであって、現状は財政危機ではないといえます。しかし、財政赤字は増え、政府債務は増えている――その原因は、国の経済政策が間違っているからです。
しかし、国が間違いを反省せず、このままの政策を継続しようとすると、大増税しかないことになります。そうなると、日本の財政そのものが破綻してしまうことになります。したがって、これは「財政危機」ではなく、「政策危機」である――菊池英博教授はこういうのです。
菊池英博教授は、銀行マンの出身であり、国内のみならず、米国やヨーロッパ、オーストラリアなどの営業店で、長年にわたる銀行経営の豊富な体験を持つ実務派の学者です。その主張は理論的であると同時に実践的であり、きわめて説得力があります。
1995年から、文京女子大学(現文京学院大学)の教授をされていますが、そのかたわら衆参両院で開かれる公聴会などで、公述人を務めるなど、国の経済政策に関して多くの提言をされ活躍している気鋭の学者です。
その菊池教授が現政権の経済政策は完全に間違っており、現在の経済政策を続けると、本当に財政は破綻するといっているのです。しかし、その提言が素直には受け入れられない不可解な基盤のようなものがあるのです。 ・・・[日本経済07]
≪画像および関連情報≫
・公共投資はGDPの増加に寄与する――菊地教授意見
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・「公共投資はGDPの増加に寄与していない」――この言
葉は、当初から小泉純一郎氏と竹中平蔵氏がよく宣伝し、
マスコミも使っている。しかし、事実に反する発言であり
大間違いである。
・1998年度と1999年度の公共投資が2000年度の
GDPを押し上げ、税収は50.7兆円に達している。
・しかし、2001年度に小泉構造改革が出てきたため、効
果が吹き飛んでいる。これは、橋本政権に次ぐ2度目の失
敗といえる。
・公共投資のGDP成長への寄与度合いを減殺させているの
は、効果が出るか出ないうちに、すぐに緊縮財政に転じて
しまうからである。
菊池英博著、『増税が日本を破壊する/「本当は財政危機で
はない」これだけの理由』より。ダイヤモンド社刊
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478231389/qid%253D1138667795/503-6993428-8131915
緊縮予算と積極予算とでは税収に大きな差が出る
(私のコメント)
「株式日記」では財務省官僚や日銀官僚の無能さを指摘してきましたが、それ以上に日本の経済学者やエコノミストたちが無能であるために、同じ間違いを何度も繰り返しては日本経済をダメにしている。一言で言えば彼らはデフレギャップと言うものがよく分かっていないのだ。
経済学の基本とは通貨論のことなのですが、財務省や日銀官僚たちは金本位制論者が多く、むやみに財政支出を増やすとインフレになると思い込んでいる。だから政府が積極予算を組むたびに日銀官僚は量的な引き締めを行なって景気回復をぶち壊しにしてきた。それだけインフレの再発を恐れたのですが、逆にデフレにしてしまった。
日銀の速水総裁なども日本経済の状況がまったく分かっておらず、とんでもない時にゼロ金利を解除してみたり、日本の銀行は多すぎるとデーターに基づかないデタラメを言ったりして「株式日記」ではその間違いを指摘してきたのですが、数年前からの量的緩和で何とか最悪の事態は免れてきた。
しかし、日銀が量的緩和をしても財政が積極財政を組まなければ通貨は上手く回らずドル債券買いにまわってしまう。赤字財政を終わらせるためには積極財政で景気刺激をしなければ税収は増えない。逆に歳出をカットすればよけいに税収は減って赤字幅が増えてしまう。この仕組みを財務省は分かっていない。
なぜ積極財政でもインフレにならないかと言うとデフレギャップが存在するからで、貿易収支が黒字でデフレギャップが存在する限り政府がいくら金を使ってもインフレにはならない。つまり通貨とは労働力と生産力の事ですが、労働力と生産力があまっていれば通貨はそれだけ発行してもインフレにはならない。
なぜデフレギャップが生じたかと言うと株や土地などの暴落によって金融がマヒ状態になり、信用の収縮で通貨の回転が止まってしまった。その結果供給力があまってしまって失業者が増加した。根本的には株や土地の暴落を防ぐ事がバブル崩壊を防ぐ一番の手段なのですが、政府や日銀は総量規制などかけて株や土地を暴落させた。
アメリカのグリーンスパンFRB議長はは日本の失敗を見習って株や土地を暴落させないように金融を調節してきましたが、緩やかにバブルを消滅させている。デフレの脱却にしても日本の悪い見本を見ながらデフレの回避に努めているが、イラク戦争などの”公共事業”などによってデフレを回避している。だから日本も公共事業こそがデフレ脱却の切り札なのだ。
財務省や日銀がなぜするべきことをしないのかと言うと、増大する国債の圧力に恐れおののいてしまって財政再建路線をとってしまうからだ。そのために歳出カットや増税などを直ぐに言い出す。しかしそうすれば景気は停滞して税収はなお落ち込んでしまう。それで橋本政権で失敗して小泉政権でも同じ失敗を繰り返している。バカは死んでも直らないのだろう。
もちろん公共事業といっても橋や道路や箱物ばかり作っては維持管理費が増えるばかりで無駄なのですが、河川の改修や災害対策などやらなければならない公共事業は山ほどある。エネルギーの安定供給事業など今から手を打っていかなければ、やがて来る本物のオイルショックで日本経済は崩壊するだろう。
政府の財政赤字は景気回復による税収の拡大でいっきに解消する事が可能だと思う。バブルの崩壊する前は60兆円もの税収があったのだから、そのまま景気拡大を続けていれば今頃は税収は100兆円近くになっていたはずだ。バカな政府や財務省や日銀がバブルを崩壊させたからこんなことになってしまったのだ。