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「為替」 30年債入札絡みのドル買い＆FRB高官のタカ派発言で118.92円まで上昇／ニューヨーク外国為替市場概況
「30年債入札絡みのドル買い＆FRB高官のタカ派発言で118.92円まで上昇」ニューヨ
ーク概況 2006年2月10日（金曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子 片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*07:35JST 「30年債入札絡みのドル買い＆FRB高官のタカ派発言で118.92円まで上昇」
【ロンドン市場概況】
9日のロンドン外為市場では、昨日買い戻しが先行したポンド・円、ユーロ・円で
ポジション調整の売りが優勢になり、ドル・円も連れて弱含みに推移した。ポンド
は、イギリスの1月住宅価格が昨年5月以来の低下となったことや、英中銀金融政策
委員会の金利発表に関する思惑などもあって、売りが強まり、ポンド・円は206円91
銭レベルから206円06銭レベルまで下落、ポンド・ドルは1.7437ドルから1.7382ドル
まで下落した。ユーロ・円は142円15銭から141円82銭まで下落し、ドル・円も118円
71銭から118円38銭まで連れ安となった。
【経済指標】
英・1月の住宅価格：前月比-0.4％（12月+1.0％）
英・12月の貿易収支：-60.6億ポンド（予想-56億ポンド、11月-59.7億ポンド）
英中銀金融政策委員会の結果：政策金利4.5％に据置き決定
【要人発言】
ECB月報
「インフレ期待の安定のため警戒する」
「成長の条件は整っている、原油価格や世界の不均衡がリスク」
「短期的にインフレが上昇する可能性、原油・間接税・二次的な影響はリスク」
「マネーの信用の伸び・潤沢な流動性が物価安定の脅威」
ノワイエ仏中銀総裁
「12月のECB利上げは、ユーロ圏の景気回復の沿ったもの」
「経済成長に最適な金利、必ずしも最低水準の金利ではない」
「成長に最適な金利は、インフレ期待を安定させる水準」
ドイツ経済研究所（DIW）
「独第1四半期GDP伸び率は前期比0.3％の見通し。製造業生産の伸びに支えられる」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：118円50銭、ユーロ・ドル：1.1974ドル、ユーロ・円：141円86銭、ポン
ド・ドル：1.7403ドル、ドル・スイス：1.3002フラン
【ニューヨーク市場概況】
9日のニューヨーク外為市場では、ドル・円は30年債入札に絡むドル買いやシカゴ連
銀総裁のタカ派発言を受けて118円38銭から118円92銭まで上昇し、118円85銭前後の
高値圏で引けた。
ユーロ・ドルはオプション絡みの売りに押されて1.1988ドルから1.1947ドルまで下
落したが、アジアファンド、ロシア中銀などの強い買いで反転し、1.1980ドル前後
まで戻して引けた。ユーロ・円は141円台での公的筋とされる買い観測や米系筋のユ
ーロ債購入に絡む買いを受けて141円68銭から142円40銭まで上昇し、高値圏で引け
た。ポンド・ドルは英中銀が政策金利4.5％で据置きを決めたものの、市場予想通り
で反応は乏しく、1.7432ドルから1.7375ドルまで下落した。ドル・スイスは1.2984
フランから1.3035フランまで上昇した。
【原油市場】
原油相場は、メキシコ産原油の輸入減少観測を受けて強含んだが引けにかけて伸び
悩んだ。9日付の米WSJ紙が伝えたところによれば、メキシコにある産油量世界2位の
カンタレル油田の生産量が予想外の水位上昇を受けて急減する可能性があるとい
う。アメリカにとってメキシコからの供給量はカナダに次いで大きいため、このニ
ュースが供給不安を掻き立てることで買いが先行した。ただ、上値での戻り売りは
強く、引けにかけて失速した。NYMEX原油先物価格（3月限）は63.70ドルまで戻した
後に反落し、62.62ドル（前日比0.1％高）で取引を終えた。
【通貨オプション】
ドル・円スポット相場は、モスコウ・シカゴ連銀総裁のタカ派発言や、2001年以来
となる30年債入札に絡むと思しきドル買いに堅調推移している。オプション市場で
は短期物売り、長期物買いといった調整の動きが目立っている。1ヶ月物は9.050％
から8.950％、3ヶ月物は8.775％から8.725％へそれぞれ低下した一方、6ヶ月物は
8.575％から8.625％、1年物は8.500％から8.550％へそれぞれ上昇している。
リスクリバーサルは様子見気配が強く、25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は
+0.550％から+0.500％へ縮小、3ヶ月物は+0.700％で変わらず、6ヶ月物は+0.775％
から+0.725％へそれぞれ小幅縮小している。
【株式市場】
NY株式相場はまちまち。主要企業の好決算や強気の業績見通しが好感され朝方から
上昇して始まったものの、モスコウ・シカゴ連銀総裁がインフレは「許容範囲の上
限」にあるとの発言したことで短期金利が上昇した為、午後になって上げ幅が縮小
し、ナスダックやS&P500指数は引けにかけて下落に転じた。保険のエトナ(AET)が好
決算を発表して上昇。また、家電小売のベストバイ(BBY)は業績上方修正を発表して
8.5%高となった。またホテル運営のマリオット・インターナショナル(MAR)も強気の
業績見通しを示したことで小幅高。一方、自然食料品店のホールフーズ(WFMI)は決
算が事前予想を下回り9.4%の下落となった。ダウ構成銘柄では、不正会計に関して
当局と16億ドルの支払いで和解したAIG(AIG)が小幅上昇。結局ダウは24.73ドル高の
10883.35、ナスダックは11.11ポイント安の2255.87で取引を終了した。本日のモス
コウ氏の発言は、更なる追加利上げを示唆していると受け止める向きが多い。
【経済指標】
カナダ・12月の新築住宅価格指数：前月比+0.6％（予想前月比+0.3％、11月
+0.5％）
米・前週分（1/28）失業保険新規申請件数：27.7万件（予想28.5万件、前回27.3万
件）
米・12月の卸売在庫：前月比+1.0％（予想+0.4％、11月+0.5％←+0.4％）
【要人発言】
ラトIMF専務理事
「原油価格は世界経済にかなり重要なリスクとなる」
「原油価格の上昇はこれまでインフレや景気拡大にあまり影響を与えなかったが、
エネルギー価格が当分高止まりすると思われるため、すべての可能性を除去するこ
とは出来ない」
「通貨も含め監視の役割増大すべき」
モスコウ・シカゴ地区連銀総裁（投票権無）
「雇用市場は一時的な中だるみ状態」
「米国経済は潜在成長水準に近い推移」
「米第4四半期GDPは予想以上に弱い」
「インフレは容認できるレンジの上限」
「最近の経済指標はかなり好調」
「エネルギー価格の上昇はインフレリスクを引き上げる」
「低い失業率は賃金上昇圧力を押し上げる」
「個人消費は引き続き堅調」
「インフレ期待は引き続き抑制されている」
「インフレ上昇は重大な懸念材料」
「政策金利は中立水準内にある」
「中立水準は必ずしも利上げ打ち止めを意味するものではない」
「インフレターゲット実施には多くの疑問点を解決していく必要がある」
「連銀は将来のエネルギーコストの上昇を予想しているわけでない」
「連銀はインフレ潜在率を測定しようとしている」
「米財政赤字を懸念している」
「長期金利は歴史的に低水準」
「低水準の長期金利については誰も的確な説明はできない」
「コアインフレは05年より06年のほうが若干高い」
「全体的に06年インフレ率は低下するであろう」
【ロンドン市場始値-ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 118.49 118.92 118.34 118.82
ユーロ・ドル 1.1976 1.1996 1.1947 1.1982
ユーロ・円 141.93 142.40 141.68 142.35
ドル・スイス 1.2978 1.3035 1.2971 1.2994
ポンド・ドル 1.7427 1.7437 1.7375 1.7414
株式市場：
NYダウ 10859.42 10952.27 10855.74 10883.35
ナスダック 2274.73 2284.52 2254.26 2255.87
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 4.675 4.652
米国債10年物 4.547 4.545
先物市場：
NY金先物 561.7 568.4 560.5 568.1
NY原油先物 62.85 63.70 62.34 62.62
シカゴ日経平均先物 16510 16610 16475 16480
（フィスコ） - 2月10日7時38分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060210-00000002-fis-brf
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。