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2006年2月9日(木)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-02-09/2006020915_01_0.html
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「貯蓄から投資への流れを加速するためには、教育の役割が極めて大きい。証券界の皆様とも連携しつつ、金融経済教育の充実に努める」−。2005年9月、証券業界団体が集まる全国証券大会で、自民党の伊藤達也金融相(当時)はこうあいさつしました。政府が旗振り役を務め、証券業界と一体となって、学校現場での「金融教育」を推進しているのです。
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「汗水たらして頑張っていくという従来の発想を変え、代わりに『お金に働いてもらう』のが国益だと、初等中等段階から教えていく必要がある」「投資教育としては、まず人生にはリスクがあるんだという基本を学ばせる」
〇五年三月、金融庁は大臣の私的懇談会「金融経済教育懇談会」を発足させました。その会議での懇談会メンバーの発言です。六月には「実践的、体験的な(金融)教育をおこなうことの重要性」をうたう「論点整理」を発表しました。
〇二年に同庁は、文部科学省に「学校における金融教育の一層の推進」を要請。そこでは、「総合的な学習の時間」や各教科などを通じた金融教育の推進に「格別のご理解、御協力」を求めています。〇四年の「金融改革プログラム」にも「金融経済教育の拡充」を盛り込んでいました。
こうした政府の後押しを背景に、日本証券業協会は中高生向けの投資授業プログラム「株式学習ゲーム」を展開中です。
「総合的な学習の時間」や社会などの授業で、生徒が一千万円の「架空資金」をもとに、上場企業に実際の株価で「投資」して成果を競う内容。ゲームのホームページ(HP)に売買注文を入力すれば、「資産合計額」に基づいて学校内の順位表が表示されます。
運営費、教材費はすべて日証協持ち。
「投資はリスクを伴うことを実感した」「資金が出来たらやってみたい」。日証協が実施した参加校へのアンケートには、こうした生徒の感想が記されています。
日証協担当者は「株を通じた経済学習が目的。金もうけを奨励する意図はない」と説明しながらも、「結果として投資家のすそ野が拡大すれば、業界として収益を得られる」と「本音」を隠しません。
「経済の仕組みを学習するのに異論はないが、子どもの関心をもっぱら株価の値動きに誘導するようなプログラムには、問題がある」。私立高校で政治・経済を教えている教諭は指摘します。
「例えば、リストラを発表した会社の株価が上がることがある。売買ゲームの背後にある社会の現実を素通りする教育でいいのか」