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(回答先: 新日鉄とは交渉していないが、2日に代表と会合=アルセロールCEO 【ロイター】 これが事前に漏れたのか… 投稿者 Sちゃん 日時 2006 年 1 月 31 日 08:02:50)
高級鋼に触手、日本も警戒感 鉄鋼世界一、二番手買収ねらう
主な鉄鋼メーカーの資本・業務提携
経営力のない製鉄会社を次々買収し、粗鋼生産量で世界1位に上り詰めたミッタル・スチール(オランダ)が、2位のアルセロール(ルクセンブルク)にまで触手を伸ばしたことに、世界の鉄鋼メーカーは衝撃を受けている。アルセロールは提案への拒否を表明したが、ミッタルは品質でも世界トップを狙う戦略に転じたとみられ、高い技術力を誇り国際的な企業買収に消極的だった日本メーカーも、「対岸の火事」とばかり言っていられなくなりつつある。(大月規義、岸善樹=ブリュッセル)
●ミッタル、品質も首位目指す
「寝耳に水だ。一体何が起きているのか」
ミッタルのアルセロール買収提案のニュースに日本の鉄鋼大手首脳は驚きながらも、「中規模の鉄鋼会社を買収し続けた戦略が限界となり、高級鋼市場へ踏み出さざるを得なくなったのではないか」と見る。ミッタルが強みにしていた低級鋼材市場は、もはや中国メーカーに支配権を奪われているためだ。
インド出身のラクシュミ・ミッタル氏が76年に設立したミッタル(旧LNMグループ)は、インドネシアの小さな鉄鋼会社からスタート。旧ソ連・東欧や南アフリカ、メキシコなどの製鉄所を安値で買収し、大規模な合理化策で稼いだ収益で新たな買収を仕掛ける戦略を続けた。昨年4月には世界12位の米インターナショナル・スチール・グループを買収、世界で初めて1社で粗鋼生産が5千万トンを超す最大手となった。
低品質品が主力のミッタルは、新日本製鉄やJFEスチールなど高級鋼が主力の日本の高炉メーカーとほとんど競合せずにきた。
しかし、今回は欧州の自動車メーカー向けなど高級鋼板に強いアルセロールへの株式公開買い付け(TOB)提案。これまでミッタルは日本の高炉買収には消極的だったが、アルセロールのTOBに失敗した場合は、巨額の資金を武器に、新日鉄(時価総額2兆9千億円)や、JFEホールディングス(同2兆5千億円)の買収に向かう可能性は否定できない。
新日鉄は昨年、住友金属工業、神戸製鋼所と株式を数%ずつ持ち合い、敵対的買収に備えたばかりだが、「場合によってはもう一段、結束を強めることもある」(幹部)と警戒感を強める。
新日鉄はアルセロールと戦略的業務提携を結ぶ一方、ミッタルとも北米で合弁の鋼板処理会社を運営。幹部は「仮にTOBに成功しても、アルセロールの運営は難しいだろう」としながら、「提携関係がどうなるか、こちらも対策が必要なのか考えなければ」と切実だ。
新日鉄はこれまで「買収による拡大戦略には反対だし、そのノウハウもない。自助努力で成長する」(三村明夫社長)としてきたが、ミッタルによる買収劇の今後の展開次第で、その方針も転換を迫られる可能性がある。
●アルセロール、「雇用」前面に抵抗
アルセロールは、ミッタルによる買収提案に対して「敵対的だ」と強く反発している。ドレ最高経営責任者(CEO)は30日、仏ラジオ番組で「戦いが始まった。準備は整っており、我々は勝つ」と宣言した。
アルセロールは02年にルクセンブルクと仏、スペインの鉄鋼3社の合併で発足。欧州を中心に従業員約9万4千人がおり、買収で雇用が脅かされれば欧州各国で政治問題に直結する。
このため、アルセロール株の5・6%を持つ筆頭株主のルクセンブルク政府や、国内に約2万9千人の従業員を抱える仏政府も警戒を強める。ミッタル会長とパリで同日会談したブルトン仏財務相は「具体的計画は何もなかった」と突き放し、「アルセロールの活動は仏、欧州にとって極めて重要だ」と強調した。スペインでも約1万5千人が働いており、ソルベス経済・財務相は「雇用への懸念が当然ある」と述べた。
ミッタル会長は同日のパリでの記者会見で「閉鎖するために工場を買うことはしない」と大規模な人員削減を否定しつつ、「6月末までには買収を完了したい」と強気を崩さなかった。
一方、ドレ・アルセロールCEOは仏紙ルモンドのインタビューで「300%敵対的買収だ。株主もそうだが、従業員への影響は深刻だ」と述べ、雇用問題を前面に出して抵抗する構えだ。
http://www.asahi.com/paper/business.html