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2006年1月24日
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/060124_taiho/
ライブドアの堀江貴文容疑者の逮捕それ自体は、私にとって、それほど意外なものではなかった。先に書いたように(「第64回 ライブドア事件でITバブルは弾けたのか」)、強制捜査(家宅捜索)がはじまった時点で、それは当然予測されたことだからだ。そこまで行ける見込みがないようだったら、そもそも検察はこの事件の摘発に踏み切るはずがないのである。
家宅捜索があった時点で、いずれ堀江逮捕までいくにちがいないというのが、検察ウォッチャーたちの当然の推測だった。
わからなかったのはそれがいつになるのかということと、どういう手順でそれにいたるかだった。
なぜこのような異例の展開をしたのか
ロッキード事件にしても、いきなり田中角栄逮捕があったわけではない。まず、贈賄側を固める必要があった。
贈賄側にしても、いきなり、檜山丸紅社長逮捕にいたったわけではない。まず、大久保利春担当常務の逮捕にはじまり、10日後に伊藤宏専務が逮捕され、さらに10日後に檜山社長が逮捕されている。田中逮捕は、檜山逮捕の2週間後である。
普通はこのように、逮捕の線は、下から順に上に向かって伸びていく。逮捕した下の人間から、上の人間を逮捕するに至る証拠(供述)を引きだし、未決拘留ギリギリ(最長2週間)のところで、上を逮捕するということを繰り返して、トップに(贈賄から収賄)にいたるのが普通である。
今回のように、事案の性質がちょっとちがう(贈収賄事件ではない)とはいえ、トップに最大の疑惑が集中している(検察の狙いもその一点に集中している)という点では似ている事件において、捜査開始まもない時点で、いきなりその会社のトップ4人全員が逮捕されてしまうというのは、事件の展開として、きわめて異例である。
この事件は、なぜこのような異例の展開をしたのか。
いちばん大きな疑問は、ここにある。そして、この事件はどこまで広がるのか?これが第二の疑問だが、内容的には前者のほうがより重大な疑問かもしれない。
早期決着は本当にマーケットの混乱を避けるためなのか
メディアの解説の主たる論調は、マーケットがこれ以上混乱するのを避けるために、事件の早期決着をめざしたという点において一致している。論調がこれだけ一致した背景には、記者懇談という名のオフレコ会見で、検察筋からそのようなニュアンスの背景説明が流れたということだろう。
そして、おそらくその背景には、事件に動転した小泉首相の周辺の(その意を受けた)人物から、そのようなニュアンスのプレッシャーが検察に強力にかかったということがあったにちがいないと私は推測している。
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