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http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=a1VqbJUvZq9Y&refer=jp_japan
1月27日(ブルームバーグ):製鉄最大手、オランダのミタル・スチールは27日、同業2位ルクセンブルクのアルセロールに対し186億ユーロ(約2兆6400億円)の買収案を提示したと発表した。業界最大規模の今回の買収が実現すれば、ミタルは世界鉄鋼市場の10%を握る巨大企業に変貌する。
ミタルの提示案は、アルセロール1株当たり28.21ユーロと、前日の同社株価終値を27%上回る。この日は一時31.29ユーロに上昇したことから、投資家らの間で提示額の引き上げ期待が広まっていることがうかがえる。両社統合後の従業員数は32万人。
ミタルは同時に、アルセロール買収に成功した場合、同社傘下に入る予定のカナダの同業ドファスコをドイツの同業ティッセンクルップに売却することで合意したことも明らかにした。売却額は52億6000万カナダ・ドル(約 5400億円)。
ミタルのラクシュミー・ミタル会長は1990年代から同業界で最大級規模の買収を3件手掛けており、規模拡大により、米フォード・モーターなどの顧客やブラジルのバレ・ド・リオドセ(CVRD)ら鉄鋼仕入先との価格交渉力を付けようとしている。
リシュリュー・ファイナンス(パリ、運用額は36億ドル)のファンドマネジャー、サミール・エサフリ氏は、ミタルの買収案提示について「この業界で大きな意味を成す」と述べた。
ミタル会長は同日ロンドンで会見し、アルセロールの経営陣と「友好的な」協議を進めたいとし、統合後の会社にアルセロールの人員を迎え入れる「十分な」余地があると述べた。さらに、同買収後に工場閉鎖の計画がないことも明らかにした。一方、アルセロールの広報担当は、ミタルの買収案について、発言を控えた。
アルセロール株価はパリ時間午後3時19分現在、前日比6.58ユーロ(30%)高い28.80ユーロ。
ドファスコの売却先一転
ドファスコをめぐってはアルセロールとティッセンが買収合戦を繰り広げていたが、ティッセンが今週24日に身を引いたことから、アルセロールがドファスコを55億カナダ・ドルで買収することで決着していた。この日の買収提示後のミタルとティッセンの合意により、ドファスコの売却先は一転する可能性が出てきた。
ミタルの発表によると、同社はドファスコを1株当たり68カナダ・ドルでティッセンに売却する。26日のドファスコの終値は70.50カナダ・ドル。
この日の発表を受け、ティッセン株価は一時前日比で10%高の22.40ユーロと2000年5月以来の高値に達した。フランクフルト時間午後2時15分現在では0.99ユーロ(4.9%)高の21.3ユーロ。一方、ミタル株価はこの日の発表前に取引が停止されており、取引再開はアムステルダム時間午後3時半となる。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のネーリー・クルス委員(競争政策担当)は27日、スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラム年次総会でインタビューに応じ、「原則的に、小規模でも大規模でも合併には反対ではない」とし、「こういった大きな案件がのぼるのは興味深い」と述べた。
この日の発表後、アルセロールの債券は少なくとも過去1年半で最大の下げを示した。フォルティス銀行によると、アルセロールの債券(表面利率 4.625%、2014年11月償還)の国債利回りに対する上乗せ幅(スプレッド)は、ロンドン時間午前11時22分現在で109ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。
アルセロールの債務支払いを5年間保障するデフォルトスワップの年間保証料は12bp上昇し67bpとなった。これは1000万ユーロの返済で年間保証料が1万2000ユーロになる。
ゴールドマン・サックス・グループとシティグループ、HSBC、クレディ・スイス・グループがミタルへの助言業務に携わっている。