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OPEC 生産枠維持か 原油価格再び高騰
原油価格が再び高騰している。イランの核開発問題などから供給不安が台頭し、日本が輸入する中東産ドバイ原油は史上初めて一バレル=六〇ドルを突破した。こうしたなか、石油輸出国機構(OPEC)は三十一日にウィーンで臨時総会を開き、需要が減少する四月以降の原油生産枠を協議する。昨年末には減産を決めるとの見方もあったが、その後の価格高騰によって、現在では生産枠は据え置かれるとの見方が有力となっている。(高橋俊一)
国内の石油元売り大手の間では、今年の原油価格についてニューヨーク商業取引所で取引される米国産標準油種(WTI)は五五−六五ドル程度で推移するとの見方が大勢を占めていた。その幅を超えて高騰し始めたのは今月十六日以降。イラン情勢に加え、アフリカ中部の産油国ナイジェリアで反政府勢力による石油施設襲撃が激化し、供給不安からニューヨーク原油先物相場は二十三日の時間外取引で一時、六九ドル台をつけた。
中東産ドバイ原油も高騰が続く。二十日に史上初めて六〇ドルを超えたのに続き、二十三日には六一ドル台をつけるなど、昨夏の水準を超える水準で推移している。
供給不安によって原油価格が高騰する構図は、米国のハリケーン被害によってWTIが一時七〇ドルを突破した昨夏とまったく同じ。中国、米国などの需要増加に伴って需給が逼迫(ひっぱく)している状況は改善しておらず、少しでも原油供給に影響を与える材料が出れば、市場は敏感に反応する。
こうしたなかで開かれるOPECの臨時総会だが、現状では日量二千八百万バレルという生産枠は据え置かれるとの見方が大勢を占めている。
例年、暖房需要が一服する春先は石油需要が減少し原油価格も下がる。このため昨年十二月時点ではOPECのアハマド議長(当時)が「OPECは四−六月期に生産量を減少するだろう」と述べるなど、価格維持を狙った発言も目立った。だが現状の高値水準で減産を決めれば、「世界的な非難が免れない」(昭和シェル石油の山本一徳・原油船舶部長)。現在の価格水準にはOPECとしても不満はないとみられ、市場関係者の多くは生産枠を維持する可能性が高いとみている。
今後の懸念材料はイラン核開発問題の行方。欧米各国は国連の安全保障理事会付託の動きを強めているが、仮に安保理が経済制裁を決めれば、原油価格への影響は避けられない。イランは日量約四百万バレルを生産するOPEC第二の産油国。原油の全面禁輸という事態になれば、国際的な需給への影響は計りしれず、「原油価格は一〇〇ドルを超える」(山本氏)事態もあり得るという。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/27kei003.htm