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□ホリエモンだけがそんなに悪いのか [RBB TODAY]
http://www.rbbtoday.com/column/ittoku/20060124/
ホリエモンだけがそんなに悪いのか
2006年1月24日
ライブドアの堀江貴文社長ほかが逮捕された。私は堀江氏について、ほとんどマスコミの情報を介してしか知らない。物書きという仕事柄、堀江氏に取材した人などから話を聞く程度のことはあるが、それとて私に言っても構わないくらいの話だから聞かせてくれるのであり、私は特別なことを知っているわけではない。あくまでもその範囲での判断だが、私は個人的には堀江氏の発言もビジネスの仕方も大嫌いだ。ここ数年ではなく、あの会社がオン・ザ・エッヂだった頃から嫌いだった。
しかしそれは脇に置いても、彼が近年稀に見る成功者であったことは疑いない。彼が手を挙げなかったら、プロ野球は12球団を維持できていたか。彼が敵対的な企業買収を仕掛けなかったら、ポイズンピルをはじめとする買収対抗策の理解と準備は進んでいたか。彼はこの硬直化した社会の中で、一介の若者が起業によってどこまで成り上がれるか、という夢を見せ、希望を与えたのではなかったか。
今、彼のその成功自体が、実は裏で操作された数字によるものだったのではないかというストーリーが描かれつつある。もちろん本当に不正があったのなら、それは裁かれるべきで、堀江氏は責任を取らなければならない。けれども、ただ彼とライブドアを叩くだけで良いのか。彼のマネーゲームに乗り、ライブドア関連株のプチバブルで儲けた人たちが、いくらでもいるはずではないか。それが不正でない限り、誰にも責められる筋合いはないだろう。だが胸に手を当てて考えてみるが良い。それが健全な投資、健全な経済活動だったと、己の良心に恥じることなく言えるのか。
世の中の風向きが変わった時、それまで共に踊っていた人々は、自らの罪を悔いることなく、代わりに水に落ちた誰かをさらに叩く。だが、堀江氏一人に責めを負わせて事足れりとする限り、あなたがたは同じことをやり続けるだろう。そしてそのマネーゲームの中で、いつかまた第二のホリエモンが現れるのだ。
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■著者略歴
小笠原 陽介 (おがさわら ようすけ)
理系のココロを文系のコトバで語るフリーライター兼コラムニスト、時々ジャーナリスト。ITによる人間と社会の変容に問題関心を持ち、独特の視点から発言を続ける。
主な著書:『PC-98パワーアップ道場』1998,ソフトバンク