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確定“深刻”
個人投資家次は税務署に殺到?
来月十六日から始まる確定申告に注目が集まっている。“ライブドア・ショック”が起きる前、昨年の大幅な株価上昇で株式売却益を得た個人投資家が税務署に押し寄せる可能性があるためだ。証券会社が投資家に代わり納税してくれる「源泉徴収ありの特定口座」を使う投資家でも確定申告をすれば定率減税分の所得税が還付される場合があり、税務署は混乱の回避に懸命だ。 (経済部・池井戸 聡)
◆懸命
首都圏のある税務署の担当者は「今から混乱を危惧(きぐ)している」と打ち明ける。
ただでさえ、消費税を納める義務を負う個人事業者の条件が「売上高三千万円超」から「同一千万円超」へと厳しくなったことで申告者急増が予想されている。これに株式譲渡益課税の申告者増が輪を掛けるとみられるのだ。昨年末の日経平均株価は前年末比で40%上昇。イー・トレード証券などインターネット証券大手五社の二〇〇五年末の口座数は、前年末より百万も増えて二百六十万に達した。
昨年の株式譲渡益課税の申告者は六十七万人だったが、こうした株価上昇やネット証券の口座増から申告者の増加は間違いない。国税庁は「今年どの程度、増えるか分からない」と話すものの、混乱に備えて各税務署は確定申告の会場を広げたり「国税庁のホームページで書類を入手し、郵送で確定申告する方法もある」と呼びかけるなど、混乱回避に懸命だ。
◆条件
サラリーマン投資家のうち原則、確定申告が必要になるのは給与所得以外の所得が二十万円超あり、一般口座か「源泉徴収なしの特定口座」で株取引をする人。
だが、大半の投資家が利用する源泉徴収ありの特定口座でも、確定申告で所得税の20%(定率減税分)が戻ることがある。これが申告者の増加を招く「追加要因」になっている。
源泉徴収ありの特定口座で「盲点」となっているのは、所得税を最大年二十五万円、個人住民税を同四万円減らす定率減税を考慮せず、株式譲渡益課税が天引きされてしまうことだ。
株の売却益が年三十万円ある個人投資家の場合、10%の譲渡益課税がかかり、三万円が源泉徴収されている。このうち7%分の二万一千円の所得税は、確定申告すれば20%(定率減税分)に当たる四千二百円が還付される。個人住民税も翌年、自動的に定率減税分が減額されるのだ。
ただし、個人投資家が所得税の定率減税の上限である二十五万円を使い切っていないことが条件だ。
年収七百万円のサラリーマン投資家(夫婦と子二人の四人家族)のモデルケースでは、定率減税による所得税額の減額は四万八千六百円。限度額の二十五万円には二十万円強の余裕があり、三十万円の売却益なら四千二百円、五十万円なら七千円の還付が受けられる。
◆最後
定率減税は今年一月から減税幅が半減され、来年には全廃される。確定申告で株式譲渡益課税が戻るのは来年(今年より半減)が最後となる。
このほか、〇一年十一月末から〇二年十二月末までに買った株を〇五−〇七年の間に売却した場合、確定申告をすれば購入額が一千万円までは売却益に税金がかからない特例もある。三年以上前から株取引をしている個人投資家が対象。
日本税理士会連合会の上西左大信・調査研究部副部長は「今年の確定申告では、この特例を忘れずに使うことが最大のポイント」と強調する。ただし、源泉徴収ありの特定口座を使って株を売却した場合は対象外だ。
(メモ)特定口座と一般口座 株式の譲渡益課税については2003年、給与などと分離して課税する「申告分離課税」が導入された。これに伴い創設されたのが特定口座の制度。証券会社が株式の売買の損益を自動的に計算してくれるため、大半の個人投資家が利用する。特定口座には証券会社が損益を合算の上、自動的に税金も納めてくれる「源泉徴収あり」の口座と、損益は計算するが税は徴収しない「源泉徴収なし」の口座がある。
損益計算なども投資家自らが行う「一般口座」と、源泉徴収なしの特定口座を使う投資家は確定申告が必要になる。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060123/mng_____kakushin000.shtml