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(回答先: 東証、ライブドアグループ2社を「開示注意銘柄」に指定 投稿者 sho 日時 2006 年 1 月 20 日 23:40:49)
ライブドアつまずきの事情は?
「時価総額世界一になる」。ライブドアの堀江貴文社長(33)は、こう豪語して拡大路線を突き進んできた。約十年前に産声を上げた学生ベンチャー企業は、企業の合併・買収(M&A)を繰り返し、雪だるまのように巨大化した。ニッポン放送株買収騒動をはじめ、社会を驚かせるたびに堀江社長は「法律は守る」と強調してきた。なぜ、ここへきてつまずいたのか。急成長企業ゆえの事情とは−。
「新社長は、本体から一任されて来ていた。堀江社長の周りの人たちがブレーンとして精力的に動く、という印象がある」。三十代のライブドア証券元社員は、一昨年に旧日本グローバル証券がライブドアに買収され、ライブドア本体の役員が同証券の社長に就いた当時を、こう振り返る。
買収当時、感情的な抵抗感から辞めた古参社員もいたが、新社長は旧グローバル証券の社員にかなり気を使っていたという。
社風は変わった。友達感覚で付き合い「お付き合いの中で買ってもらう証券会社の古い体質」ではなく、理論的な営業が求められた。「個々の営業マン任せから、月一回会議をして業務を見直し、情報を共有するようになった」
ライブドア証券といえば、グループの収益の中核企業だが、実はその大半はライブドア本体が稼いでいた。旧グローバル証券は個人向け営業が中心で、「収益のかなりの部分は、買収後にライブドア証券と一緒になった本体の投資部門。投資部門は本体出身者が担い、職場も証券がある兜町ではなく、六本木で、同じ会社といっても交流はなかった」と元社員は話す。
■社長は最終的にGOサインだけ
「ライブドア資本論」「ヒルズな人たち」の著書があるフリージャーナリストの佐々木俊尚氏は「いわれているような堀江氏のワンマン経営ではない。宮内氏、岡本氏、熊谷氏ら実務部隊が率先して仕事をして、堀江社長は最終的にGOサインを出すだけだ」と説明する。ライブドアは堀江氏をはじめ、数人の取締役の“中央集権”経営といっていいようだ。
特に税理士出身の宮内亮治氏(38)は、M&Aで中心的な役を担い“錬金術”を主導したとされる。堀江氏とは、一九九六年に堀江氏らが設立したライブドアの前身オン・ザ・エッヂからの仲間だ。岡本文人氏(38)はリクルートで営業を学び、営業面で手腕を発揮した。ニッポン放送株をめぐるフジテレビとの攻防では、証券会社出身で財務を担当する熊谷史人氏(28)が、和解を進めたといわれる。
こうした幹部が、主に事業拡大に尽力、これまで四十社を超える企業を手に入れてきた。
一般社員にも徹底した成果主義が求められている。
「同僚、部下、上司の三方向から細かく評価される。勤務日報を書かされ、内容をみんなに見られるから、遊んでいられない。交際費なし、文房具を買うにも見積もりを取れと言われる。基本的に何ももらえないが認められれば給料は上がるし、認められなければ最低給料しかもらえず、辞めていく。堀江氏に心酔して入社するというよりも、成果主義にひかれて、古い会社から人が移ってくる」(佐々木氏)
社員の平均年齢は三十一歳で在籍期間も一年三カ月。出入りが激しい理由を広報担当者は「転職者が多いため」と説明する。
堀江社長も「かせぐ人に給料をたくさん出す。働かない人にはそれなりの給料しか出さない。お金で評価を出す」(週刊エコノミスト昨年三月十五日号)。
ライブドアが自社PRした本「livedoor?何だ?この会社」には、三カ月に一度査定が行われ、「一人ひとりに日々の売り上げを意識させ、回収スピードを上げさせる効果を発揮している」と書かれている。大卒の初任給は十八万円だが、高い査定を受けた社員の中には「月収二千万円」(週刊エコノミスト同号)に達する人もいるという。
堀江社長はニッポン放送株買収騒動では、市場の時間外取引を批判されたが「法律は守っている」と主張、さまざまな場面で法令順守を強調してきた。事業拡大に成果を出せる人材が集まっているはずなのに、なぜ不祥事を起こしてしまったのか。佐々木氏はその理由を、会社そのものの仕組みではなく、役員同士の競争激化にあるとみる。
「金融出身の人が何人もいて、それぞれが新たなビジネスを競って探している。その結果、どこかで一線を踏み越えたのではないか。いわば投資部門の暴走だ」と言う。
確かに、経営コンサルタントの堀紘一氏が「ヤフーはポータルサイト、楽天はネットショップなど収益の核となる事業があったが、ライブドアにはそれがなかった」と指摘するように、本業よりマネーゲームに傾注しすぎた感は否めない。
■急すぎる「膨張」 人材育成できず
科学技術ジャーナリストの那野比古氏も「技術開発に資金を投入し、ほかの会社と差別化を図ることもしていない。本業を育てようという迫力を欠いていた」と同意見だ。その上で「あまりにトントン拍子で会社が膨張したため、人材育成がついていかなかった。法令順守に厳しい大企業出身者がいないこともアダになった」と分析する。
コラムニストの勝谷誠彦氏はテレビ番組で、ライブドアを、レイプ事件を起こした学生サークル「スーパーフリー(スーフリ)」に例えた。「ホリエモン自身は御輿(みこし)ですよ。そういう意味で『スーフリ』と言った。御輿は誰の言うことも、ふんふんと聞いて、本当のワルは下にいる。リーダーならストッパーにならなければいけないが、御輿は無責任。そういう集団心理が、学生サークルのノリだと思った」と話す。
その上で、「スーフリだって、最初は普通にやっていたのが、そのうち『だったら酒にクスリ混ぜちゃえ』になっていった。ライブドアも『いいんじゃない』というノリ。『よくない』という大人が必要なのに、そういう『大人』がいない」と指摘、こう断言する。
「耐震偽装と(ライブドアの決算)粉飾は、同じ。ホリエモンの『いいんじゃないですか、監査法人も認めている』と、ヒューザーの小嶋社長の『イーホームズが検査を通した』も同じ。真の情報公開はせず、どうでもいいことはしゃべり続けるのも同じ。事件は時代を映す鏡だ」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060120/mng_____tokuho__000.shtml