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http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200601180001a.nwc
劣悪な中国の労働環境 英企業衝撃、改善求める声も
2006/1/18 TrackBack( 0 )
【ロンドン=蔭山実】欧州連合(EU)が中国との最大の貿易相手になる勢いをみせる中で、安価な中国製品の製造現場の劣悪さが報告され、英小売企業に衝撃を与えている。輸入業者の立場からも、過酷な長時間労働やきわめて安い給与といった労働環境に改善を求めるべきだとの声も出始めた。生産者の保護を目指す「フェアトレード」精神の旺盛な英国だけに波紋を広げそうだ。
英小売チェーンの「マークス・アンド・スペンサー」や、スウェーデンの家具小売チェーン「IKEA」などの小売大手企業が委託した中国の民間製造業の現場調査結果がまとまり、欧州市場に大量に流れ込んできている中国製の繊維製品や玩具、家電製品などの製造実態が明らかになった。
英紙インディペンデントが報じた調査結果によると、中国の民間の製造工場では労働時間は一日あたり14時間で、休みは月1日、月給は50ポンド(約1万円)以下と判明した。これは国際労働機関(ILO)の基準に違反しているだけでなく、中国の法律にも違反しているという。
中国政府も民間企業の8割が労働者の人権を侵害していると認めたともいう。とくに南部の保税区では労働者の安全基準に満たず、作業中の事故死は英国の少なくとも12倍で一日に13人が作業中に重傷を負っていると同紙は伝えた。
中国では農業から工業への基幹産業の変遷に伴い1億人近い農民が都市に移動しているとみられ、中国の長い歴史でもこれほどの大規模な人口移動はないという。その大半が南部の保税区にある民間企業に吸収されているようだ。
そうした中国での劣悪な労働環境で製造された繊維製品や玩具、家電は英国の小売店でも店頭で大量に販売されている。最新の貿易統計ではEUが中国の最大の貿易相手国となり、2005年の総貿易額は対前年比で22.6%増の1220億ポンド(約24兆4000億円)に達した。
英国の中国との貿易額はEUの25加盟国の中で3番目に大きく、英貿易産業省が公表している最新の貿易額は04年で106億ポンド(約2兆1200億円)。中国からの主要な輸出品はIT(情報技術)機器や携帯電話機器関連、繊維製品、玩具、家具、機械類となっている。
ブレア英政権も中国との貿易関係の拡大を図っている最中だ。だが、中国でも自由貿易に根ざす民間企業で違法な労働環境が生み出されているだけに英小売企業も改善をうながす努力をすべきだと、輸入側の英企業が私企業の規範を示す必要を訴える声も出ている。
労働環境の改善運動を進めている団体は中国の民間企業で労働者が造反して経営者を誘拐する事件も起きていると指摘。劣悪な労働環境を放置すれば、対中ビジネスに甚大な影響を及ぼす恐れもあり、中国の労働環境改善に向けて英企業への圧力は高まりそうだ。