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しんぶん赤旗からhttp://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-01-18/2006011802_01_2.htmlより引用
2006年1月18日(水)「しんぶん赤旗」
主張
ライブドア捜索
「錬金術」のからくりにメスを
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ホリエモンこと堀江貴文氏が社長を務める「ライブドア」に東京地検特捜部の家宅捜索が入りました。
ライブドア関連会社が自社の株価をつり上げる目的で出版社買収にからんで虚偽発表をしたこと、決算で売り上げや利益を水増ししたことなど証券取引法に違反した疑いです。
一九九〇年代後半からの連続的な規制緩和によって、株式市場には「なんでもあり」の風が吹き荒れてきました。法律の枠組みを踏みにじっても、利益を上げさえすればいいという風潮が市場を荒らしています。
その象徴となっているライブドアの「商法」が、刑事事件に問われています。
■ぼろもうけの手法
ライブドアの関連会社「ライブドアマーケティング」は二〇〇四年、新規発行の自社株と相手企業の株式を交換する「株式交換」の手法によって、出版社を買収すると発表しました。ところが実際には、すでに出版社はライブドア傘下の投資ファンド(投資事業組合)が100%買収済みでした。
「ライブドアマーケティング」の新規発行株は出版社側の株主には渡らず、投資ファンドに残る形です。その後、「ライブドアマーケティング」の株価は株式分割の発表も受けて数十倍に跳ね上がり、投資ファンドは四十億円余の利益を得たとされています。
さらに「ライブドアマーケティング」は、同年十一月公表の第3四半期決算で売上高や利益を水増しした疑いがあるといいます。
事実とすれば、まさに「ぬれ手で粟(あわ)のぼろもうけ」です。
インターネット関連会社としてスタートしたライブドアは、株価の値上がりをてこに企業買収を繰り返して規模を拡大してきました。
ライブドアが株価を引き上げるために利用した方法の一つが「株式分割」です。二〇〇三年に市場では異例の「百分割」を実施。株式の引き渡しが約二カ月後になることを利用して需要超過の状態をつくり、連続ストップ高の値上がりを演出しました。この手法は、ライブドア関連会社も多用し、ほかの企業にも広がりました。
証券取引法の専門家からは、この種の取引は証取法違反に問うべきだという声が上がっていました。
ライブドアや類似企業を見ていると、株価を引き上げるため「株式分割」のような際どい手法や、新たな企業買収による話題づくりにきゅうきゅうとしているように思えます。今では、これらの企業の収益の大半を金融収益が占めるようになっています。
■背景に市場の自由化
こんなやり方が長続きするはずはありません。
株式市場に資金を呼び込み、投資収益を極大化するために、財界やアメリカ政府は証券市場の「自由化」を要求し、自民党政府は金融・証券の「構造改革」、規制緩和推進計画でこたえてきました。アメリカなみの厳しい監視や規律もないまま、市場の法制を数年で原則自由に変えてしまいました。
小泉内閣は「貯蓄から投資へ」と掛け声をかけ、金融緩和で資金を株式市場に流して投資熱をあおっています。小泉「構造改革」がめざすのは、資金を持っている人はますます富を膨れ上がらせ、持たない人の所得は先細りするような社会です。
「稼ぐが勝ち」(堀江氏)の社会は人間らしくはありません。市場と社会を荒らす「錬金術」に徹底的にメスを入れる必要があります。