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貯蓄総額が14兆元超 経済にマイナス影響も
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200601170004a.nwc
2006/1/17 TrackBack( 0 )
中国人民銀行(中央銀行)によると、昨年末の中国国内の貯蓄総額が十四兆一千五十億元(約百九十八兆一千億円)に達した。国民一人あたり一万元(約十四万円)という巨額な規模で、急速な経済発展による富の拡大を象徴している。
新華社電によると、昨年は貯蓄性向が高まり、一月には十二兆元(約百六十八兆円)を突破、五月には十三兆元(約百八十二兆円)を超えた。
≪改革・開放路線≫
改革・開放路線に転じてから、中国国民の貯蓄額は一貫して増加基調にあり、比較的高い伸びで推移している。一九七八−八八年は年率30%の増加率で伸び続けた。
八九−九六年は、貯蓄性向がさらに高まり、貯蓄額が増え続けるとともに、増加率も年平均31・6%と高水準で推移。九七−二〇〇〇年は、国民の貯蓄残高が引き続き増加傾向を保ったものの、増加率は徐々に低下し始めた。
増加率は九四年の41・5%をピークに、九八年は15・4%、九九年は11・6%、〇〇年は7・9%と大幅に低下した。同時に、貯蓄残高の新増額の伸び率がマイナスに転じるという現象も現れた。
〇一−〇五年は、増加率が再び回復する傾向をみせた。
この時期の国民貯蓄は九九年下期から〇〇年にかけて、明らかな分水嶺(ぶんすいれい)がみられた。〇一年の国民貯蓄は減少率が下げ止まる傾向に向かい、貯蓄残高も増勢に転じた。定期預金の比重が高まり、預貯金の安定性が強まった。
十四兆元に達した貯金残高は、中国国民一人あたり一万元(約十四万円)という巨大な規模だ。巨額の「民間資金」は中国経済にどのような影響をもたらすのだろうか。
改革・開放路線の下、高い貯蓄率は中国経済の発展を支え、投資向け資金の不足を補う重要な役割を果たしてきた。増え続ける預貯金が金融機関の流動性を保証し、銀行の経営を安定させる原動力となった。
一般庶民にとっては、十四兆元の貯蓄残高は国民所得が絶えず増加し、国民の貯蓄性向が旺盛だった証拠で、国家全体の資産だといえる。
だが、貯蓄率が高止まりしたままでは、逆に経済にマイナスの影響が出ると指摘する声も出ている。
≪バランス崩れる≫
中国の商業銀行は不良資産の処理がまだ終わっておらず、保険業の投資の損失や逆ざやで生じた損失も巨額にのぼる。高い貯蓄率がなければ、金融システムの運営とバランスはすぐに崩れてしまうと危惧(きぐ)する関係者もいる。
中国の専門家は、貯蓄残高が高いことは一概に喜べる状況ではないと冷めた見方を示している。中国経済の投資率の過大さや、輸出依存度の高さに加え、国民の消費支出の低さの根底にあるのは、貯蓄性向の高さだと分析する。
中国国家情報センター経済予測部の範剣平主任は、「高い貯蓄率は必然的に高い投資率をもたらす。生産能力が過剰となっている現状では、国民の貯蓄を投資によって吸収することはできない」と述べ、「過剰投資が生み出した生産能力も国内消費ではまかないきれず、中国の貿易黒字を拡大する要因となっている。これは国内需要が不足しているあらわれだ」と話している。
巨額の貯蓄を経済発展にどのように活用するか。マクロ経済が高度成長から安定成長への調整局面に入りつつあるなか、適切な金融政策の策定と実施が求められている。