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と思ったら、「出産無料化」はツブれてしまいました。猪口氏がまわりの人に何の相談もなく突発的に口走った単なる思いつきに過ぎなかったようです。コイヌミチルドレンも統制が取れているようで取れていないので、なんというかちょっとアレですが、まあどうせ次の選挙で全員落選することは目に見えてるので、それまでは先輩議員諸君も官僚連中も国民と共に「痛み」を分かち合う数少ない機会として、当分の間ガマンしなければなりません。
確かに減ったとはいえ1年間に106万7千という出産数がありますから、出産費用を公費負担するとなるといくらかかるのか想像もつきません。実は想像がつかないということもないのですが、出産に掛かる経費のうちどこまでの範囲を公費負担対象として認めるかによってだいぶ違って来るので。ちょっとやそっとのことでは効果はないでしょうな。
出産育児一時金を5万円増額するのは、これとはまた別の話のようです。ただしこれは健康保険や国民健康保険に加入している人だけのことであって、無保険者はこれも当然全額自己負担です。現在無保険者が30万世帯くらいあるようですが、厚生労働省としてはこれを更に増加させる予定です。
年金未納なら医療費は全額自己負担に、厚労省が検討
厚生労働省と社会保険庁は3日、国民年金の長期未納者と長期未加入者について、国民健康保険(国保)を使えなくする措置を導入する方向で検討に入った。
国保が使えなくなると、医療機関に受診した場合の患者負担は全額自己負担になる。年金の未納・未加入者に対する事実上の罰則規定を設けるものだ。実施の具体的な基準を詰めたうえで、早ければ2007年度から実施したい考えだ。
年金保険料の未納対策としては、社保庁は十分な所得や資産がありながら督促に応じない未納者に対し、強制徴収を実施している。
国民年金の納付率は05年度上半期(4〜9月)現在で、61・2%(社保庁調べ)にとどまっており、4割弱が未納だ。社保庁は07年度末で納付率を80%に引き上げることを目標にしている。だが、目標達成は難しいとの見方が強く、庁内では「強制徴収だけでは、未納・未加入の抑止効果は見込めない」との意見が出ていた。
一方、国保の滞納世帯の割合は04年6月現在で18・9%で、年金よりも納付率は高い。国保が利用できない場合、医療費が全額自己負担になり、影響が大きいという意識が強いことが原因と見られる。このため、年金未納者らへの“ペナルティー”として、国保利用を制限する案が浮上してきた。
ただ、国民年金の保険料徴収は国(社会保険庁)が行っているのに対し、国保の徴収は市町村という違いがある。年金未納を理由に国保を使えなくすることに対し、市町村が「国保の納付率も下がる」などと反発する可能性が高い。今後、厚労省、総務省、自治体などの調整が必要になりそうだ。
(2006年1月4日3時3分 読売新聞)
公的年金の会計が苦しいのは御承知の通りです。とんでもない無駄遣いをしていたりするのでいつの間にかだいぶお金が減っていたのです。そこで年金保険料を払わせるために生命を担保に取ることにした次第です。国民健康保険の滞納が国民年金の滞納よりも少ないのは、やはり病気になった時に困るとか、今現に病気になっているとかいうことがあっって、ビンボー人が乏しい家計の中から究極の選択をしてこっちは払っておこう、という判断をしている結果でしょう。ですから国保が使えなくなったからといって年金の方を払うようになるかというとこれは保証の限りではありません。払えないという可能性もあるわけで、「少子化対策」どころか人口減少効果が現われるかも知れません。もっとも病人など死んでしまえというのであれば、それはそれで理屈には合っていますから何も申し上げませんが、それでは少し正直過ぎるようです。
もっとも公的年金の保険料収入を増やす手がないわけではありません。民間企業で働いている人は厚生年金に加入していますが、パートやフリーターの人が加入していない場合があります。本人が加入しないのではなくて会社の方で入れてくれないわけです。そもそも正社員をクビにしてパートを入れるのは社会保険料の半額を会社が負担するのがイヤだからそうしているのであって、入れてくれるわけがありません。それを考えれば保険未加入の短時間労働者が相当数存在することが考えられます。
そこで短時間労働者は総務省統計局の労働力調査によると、1週間の就業時間が35時間未満の人は平成17年11月の速報値でおよそ1522万人います。国民の10人に1人以上が短時間労働者です。平成16年賃金構造基本統計調査によればこういう人たちの時給は男性が1012円で女性は904円ですが、ここはまあ単純平均してしまうと958円です。
この人たちの1日当たり所定内実労働時間は男では5.8時間、女では5.5時間、単純平均5.65時間になっていますが、これは所定内ということで残業を含まない数字です。パートタイマーなどの所定労働時間は雇用契約等で定められているところですから、契約書上の労働時間は6時間未満になっているわけです。これは社会保険の加入条件が、「1日又は1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること。1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上であること」となっていることによります。「概ね」とはちょっと曖昧な巨乳ですが、正社員が8時間労働とすれば6時間ですね。これは実労働時間ではなくて所定労働時間で判断することになっています。ですから実際にはこれを超えて正社員同様の勤務をしているのが常態であっても、雇用契約で労働時間が6時間であれば社会保険に加入させなくてすみますから大いに経費節減になるわけですね。
また、実労働日数は男が17.6日、女は19.0日で単純平均18.3日となっています。ここでこれら全ての単純平均した数値をかけると、短時間労働者の月収のだいたいのところがわかるもんだとすると、それは99,052円になります。残業分を含まなければこのくらいではないか。この数字は社会保険の保険料額表によると標準報酬は等級1の98,000円にあたり、政府管掌健康保険料は8036円、厚生年金保険料は14,002円で合計22,038円となります。半分は会社負担ですが決して少ない数字ではありません。これに短時間労働者数をかけてみた全体では3354億円になります。
で、この3354億円のうち、相当部分が雇用している企業の経費節減のために取りはぐれていると考えられます。半分としても1677億円、まあ2000億はいくんじゃないかなと思いますが、そのうち厚生年金保険料は1300億円くらいになることになります。まあたいした数字ではないかも知れませんが、社会保険事務所は人件費節減で大儲けをしている企業をちょっと締め上げればこのくらいはポンと出て来る可能性があるということです。公的年金の台所事情が苦しいとかお櫃が空だとか泣き言をいう前に、そのくらいの努力をしたらどうかと思うのですが。
どうせ企業としては、短時間労働者が保険に加入させられたら保険料の事業主負担分の金額はそいつらの時給を下げたりすることによって対応しやがるに決まっているので、結局は労働者の負担が増えるということにはなるんでしょうけどね。
posted by 珍風 at 07:12