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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051231-00000009-san-int
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン政権は、世界のエネルギー分野で主導的な超大国になるという国家目標を定めて動きだした。来夏、ロシアが初開催する主要八カ国(G8)首脳会議でもエネルギー安保を主要議題に据える考えだ。高騰するエネルギーを武器に影響力の拡大を図る同政権と、旧ソ連圏の民主化に重点を置く米国との“暗闘”は来年、一層深まるとみられる。
プーチン大統領はこの二十二日、ロシアの最高意思決定機関、安全保障会議を開き、「ロシアはエネルギー分野で指導的国家とならなければならない」と、「エネルギー超大国化」の国家戦略をぶち上げ、同国が今後、エネルギーと軍需産業の二本柱で経済を発展させていく考えを示した。
大統領は出身地サンクトペテルブルクで来年七月に主催する同国初のG8サミットに関し、「エネルギー安保が最大の焦点になる」とも述べた。ロシアが世界のエネルギー安保を支える重要国である点を訴える狙いだ。
ロシアのエネルギー戦略の一翼を担う国営の天然ガス独占企業体、ガスプロムはこれに先立ち、ロシアとの関係強化を図るドイツのシュレーダー前首相を同国のガスプロム関連企業の代表に迎え入れ、もう一つの要のロシア国営石油、ロスネフチもブッシュ米大統領の盟友として知られるエバンス前商務長官に役員ポスト就任を提案した。前長官はしかし、「時間がない」として辞退した。
エネルギー分野でのこうした親露派国際世論作りに加えて、非公開だったガスプロムの株取引を自由化するといったイメージ改善、信頼回復策なども活発化している。
二十六日には、モスクワを訪れた世界最大の産油国、サウジアラビアなど十一カ国で構成する石油輸出国機構(OPEC)代表団とエネルギー分野での協調関係構築について協議している。
だが、ロシアのエネルギー政策研究所のミロフ所長は「巨額の借金を抱え、汚職にまみれた非効率的な国家エネルギー独占企業体を中心にグローバルなエネルギー帝国を作れるとは思えない」と指摘、同政権がエネルギー分野を中心に進める国家統制型資本主義に異論を唱える動きもある。
一方、バーンズ米国務次官(政治担当)は二十八日、ロシア圏の民主化推進が米外交の来年の最重要課題の一つで、G8サミットではロシアの民主化の問題を取り上げるとの声明を発表した。
高騰するエネルギーを武器に世界に秋波を送るロシアに対しても、「民主化圧力は今後、さらに強まる」(ロシアの有力経済日刊紙コメルサント)とみられている。
(産経新聞) - 12月31日2時42分更新