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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060112-00000030-dwj-biz
WSJ-GMの配当が半分になったら
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ゼネラル・モーターズ(NYSE:GM)株を保有する最後の根拠の一つがまもなく消滅してしまうかもしれない。
GM株の7.8%を保有する有力投資家カーク・カーコリアン氏の側近で同氏の考えをよく知るジェローム・ヨーク氏は10日、GMに配当を減らしてはどうかと要求した。GMの配当利回りは9%だ。GMの組合からも資金節約のため配当を減らすべきだとする要求が出ている。
これとは別に、同社社債の大口投資家の一部からも、配当額の大きさに改めて懸念を示し、何らかの行動に出るかもしれないという声も出ている。
「例え配当を50%減らしたとしても十分ではない。無配にすべきだ。配当に回すより有効な使い道がある。われわれの意見をGM内部に知らせる方法を検討している」(JMGキャピタル・マネジメントのジョナサン・グレーザー氏)。
「配当を50%削減すれば、年間5億ドルが浮き負債削減に使用できる。焼け石に水だとしても、社債保有者からの圧力を和らげる一助となり、経営陣が同社の置かれている立場の深刻さをよく理解しているというメッセージを送ることになる」(モーニング・スターのアナリスト、ジョン・ノバック氏)。
配当は、疑いもなく投資家をGMに呼ぶ最後の誘因だが、こうしたことは、配当は縮小または消滅させられることを意味する。社債保有者からは喜ばれそうだが、現在または将来の株主からはブーイングを浴びそうだ。GM株価は2005年52%下げたが、今年になって13%上げてきた。
ノバック氏は、「GM投資家の多くはこれまで、配当があるから株を持ってきた。減配するということは、そのような投資家を遠ざけることであり、売らせるようにし向けるという場合だってある」と言う。
GM広報は、コメントを差し控えたが、同社のリック・ワゴナー会長兼最高経営責任者(CEO)の発言を指摘した。同氏は「GMの配当の最終的な決定は四半期ごとに取締役会で行われる。次回の配当支払いは3月に予定されている」。
また、「配当は97年から横ばいになっているが、当時の考え方や取締役会が示した方針は、長期にわたって維持できる配当水準を保つというものだった」とワゴナー氏は述べた。
GMの最近の株価上昇には、ゴールドマン・サックスが今週、投資判断を引き上げたことも影響しているかもしれない。ゴールドマンは、GMに破産法の適用申請が差し迫っているわけではないとして、GMの投資判断を「アンダーパフォーム」から「イン・ライン」に引き上げた。GMの11日株価終値は前日比20セント(0.91%)安の21.86ドルとなった。しかし、今年は、昨年末終値の19.42ドルからスタートした。
しかし、このゴールドマンのアナリストでさえも、減少が続く市場シェアと多大な労務費用の関連で、売り上げやコストに圧力がかかっているため、GMのファンダメンタルズに対する見方には依然として否定的だ。
GMが近い将来、破産法の適用を申請しそうにはないといっても、労働圧力が消えるわけでもなく、GM車への需要が増えるわけでもない。GM株の投資判断が「バイ」になるわけでもない。
GM株式を持っていたいとするGM株主がいる理由の一つは、大きな配当があることだ。
GMの配当利回りが9%なのに対し、S&P500種株価指数採用銘柄の平均配当利回りは1.8%だ。大きな配当は、GMが圧力下にある現状では特に役に立つ。配当は痛めつけられた株主にも、四半期ごとに現金を与え、忍耐力を与える。
しかし、GM株式にどの程度の影響が出るかについては結論が出ていない。一般的には減配は、投資家によって会社の見通しが暗いというシグナルと受け止められ、株価が下がることが多い。
しかし、これはGMには当てはまらないだろう。GMがかかえる経営問題を考慮すれば配当がなくなる可能性があると既に予想している投資家もいるからだ。配当利回りがこれだけ高くなっているにもかかわらず、たくさんの投資家が押しかけない理由の一つは、減配を予想している大手投資家もいるからだ。
RNCゲンターの最高経営責任者(CEO)兼最高投資責任者のダン・ゲンター氏は、不満を示す社債投資家の1人だ。GMの2007年8月満期の社債利回りが9%で配当利回りと同じだが、どんな会社だってこんなことはありえない、と同氏は指摘する。
さらに、「GMは配当を半分に減らしたとしても、配当利回りはまだ4.5%だ。高利回り株のなかに入る」という。例えば、フォード・モーター(NYSE:F)の利回りは5%近い。「しかし、とりわけ重要なことは、もしGMが配当を減らせば、年間5億ドルが節約できるということだ」とゲンター氏は力説した。
(1月12日付Heard On The Streetより)
(ダウ・ジョーンズ) - 1月12日16時1分更新