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日経(1月9日付)で信越化学社長 金川千尋氏がインタビュー記事で政府の日銀金融政策への干渉を批判して次のように述べている。
「1980年代にバブルを生んだのと似た金融政策を日銀に強いるのはおかしい。ゼロ金利や量的緩和は、97−98年に銀行が倒産した局面だったらカンフルの意味がありました。でも今や上場企業の3割は実質無借金ですよ。デフレから脱却しつつあるなか、量的緩和は過剰流動性を生み、再び資産バブルを生み出す可能性が出てきます」
「政府・与党幹部が日銀法の改正をちらつかせているとの報道がありました。もし事実なら、数の力を頼んだ露骨な干渉で、一流の先進国では考えられないことです。中央銀行の独立性が今まで以上に尊重されている世界の潮流に明らかに逆行します」(米FRBのグリーンスパン議長が04年6月以来政策金利を合計3.25%も上げたが米政府は一切口出しをしていないことにも言及)
構造改革に日銀も協力すべきだと政府筋の議論があるがとの問いに
「今さら歳出削減か消費税引き上げかと論じていること自体、小泉政権下の4年間に政府の改革が進まなかった証拠です。デフレ脱却は企業の自助努力の成果です。当社の場合、91年3月期に28%だった海外売上比率は今や67%にのぼります。世界の至るところで大変なカントリーリスクを負いながら経営しているんです」
過剰債務を背負った企業も残っていますとの問いに
「量的緩和がなければ立ち行かない企業を温存するのは、構造改革に逆行します。小泉政権は日本経済を立て直すとの構造改革を掲げて総選挙で勝ったはずです。バブルのリスクを冒して過剰流動性を続けるようでは、改革をしてはいけないということになる」
バブル崩壊後、経済界は政府に経済対策を要望してきたがとの問いに
「私は今まで金融政策にについて発言したことなどありません。目に余るので企業を離れて一国民として申し上げているんです。幸い日本は、世界の中央銀行の中で最も信任が厚く、英エコノミスト誌で『世界で最も優れた中銀総裁』と評された福井日銀総裁のもとで適切なかじ取りが行われています。経済の安定と成長のために、日銀の独立性が保たれることが必要です。金融は経済運営の基本ですから、一人でも多くの国民がこのことの本質を理解し、声を高めることを切望しています」
・・・独自の経営哲学を持ち、信越化学を世界トップクラスの高機能素材メーカーに仕上げた経営者だけに分かり易い的確な言葉だ。
某自動車メーカーの会長・社長のように「おっさん小泉チルドレン」ではない。
評論家立花隆氏も「メディアソシオ・ポリティクス」で日銀の金融政策尊重を唱えている
「2006年の日本経済を展望する量的緩和巡る政府・日銀の攻防」
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/051226_kouboh/