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http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djAXV2329.html
配当利回りが米国債上回る大手企業、今後も増加か
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)企業が株主に支払う株式配当は大きく伸びており、債券投資家さえもそれに注目するようになっている。
スタンダード&プアーズ(S&P)によると、記録的な企業配当、配当課税の引き下げなどにより、S&P500種指数を構成する主要企業500社のうち、シティグループ(NYSE:C)、HJハインツ(NYSE:HNZ)、ファイザー(NYSE:PFE)などを含む60社以上が、税引き後の配当利回りが10年物米国債利回りを上回っている。
手元現金が潤沢で、株価収益率が低めの大企業は多いことから、10年債を上回る配当利回りを提供するS&P500銘柄は今後も増えるとみられる。
債券と同等あるいはそれに勝る利回りに加え、キャピタルゲインの機会を提供する株式に対しては、これまで債券投資に専念していた投資家の関心も引きつけている。
「私は債券の世界の人間だが、株に心を引かれている」とソブリン・アセット・マネジメントの債券投資責任者、バリー・エバンズ氏は話す。エバンズ氏は資産規模10億ドルのジョン・ハンコック・ソブリン・インベスターズ・ファンドの運用を担当している。11月末時点でゼネラル・エレクトリック(NYSE:GE)、IBM(NYSE:IBM)、ロウズ(NYSE:LOW)が保有銘柄上位にある。
債券投資家にとり、株式が魅力的な大きな理由は、配当収入に対する税率が引き下げられたことだ。
米国債保有者が受け取る金利収入に対しては、連邦レベルで最高35%の税率で課税される。これに対し、企業が支払う配当のほとんどの種類は税率が2003年に15%に引き下げられ、2008年まではその水準にとどまる予定。つまり、配当に課される州・地方税を除いた段階で、3.3%以上の配当利回りは、35%の連邦税率で課税される10年債の利回りよりも高い水準にある。当然ながら、配当に対する15%の税率が2008年以降延長されない場合、配当は魅力が落ちることになる。
S&Pによると、ドミニオン・リソーシズ(NYSE:D)、デュポン(NYSE:DD)、アメリカン・エレクトリック・パワー(NYSE:AEP)などは配当利回りが3.4%を超え、10年債利回りを上回っている。シティグループ、JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)、ワコビア(NYSE:WB)などの大手銀行もそうだ。
サラ・リー(NYSE:SLE)、メルク(NYSE:MRK)、バンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)、ベライゾン・コミュニケーションズ(NYSE:VZ)など配当利回りが4%を超えている。
こうした中でも、配当は今後さらに増えると予想する根拠がある。株式相場は05年、ほぼ横ばいだったが、S&P500を構成する企業は過去最高となる2020億ドルを配当として支払った。300社近くが増配し、減配したのは9社だけだった。
S&Pの株式市場アナリスト、ハワード・シルバーブラット氏は、配当がさらに伸びる余地があると指摘する。配当を支払っているS&P500構成企業は現在、平均で利益の約3分の1を配当に回している。過去の平均では50%を超えていた。
ソブリンのエバンズ氏は、大手優良企業は「株価パフォーマンスが市場全体に出遅れながらも、大きな配当を支払いつづけてきた」と指摘。今後5年間は相場全体を上回るパフォーマンスをみせると予想する。
(1月6日付のHeard On The Streetより)