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天然ガス問題 ルーマニアに飛び火 割高価格、露へ不満表明
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアとウクライナが四日に天然ガス価格の値上げで合意し、供給契約を締結したことから、両国の対立は当面収束に向かったが、今度は、東欧のルーマニアが、ロシアからの天然ガス価格に“物言い”をつけていることがわかった。今回、ロシアがウクライナ向けガス供給を一方的に停止したことで先鋭化した「天然ガス戦争」は、欧州各国を巻き込んで、今後もくすぶり続けるものとみられる。
ロシアのラジオ放送エホ・モスクブイは五日、ルーマニア政府が、ロシアに対し、なぜ隣国のウクライナやブルガリアより割高の価格で、ロシア産の天然ガスを購入しなければならないのか、公式の説明を求めたと伝えた。
同放送によると、ロシアとルーマニアは先に行われたガス価格交渉で、二〇一三年まで千立方メートル当たり二百五十ドル(約二万九千円)とする内容の契約に調印できなかった。このため、ルーマニアは今年第一四半期から同二百七十ドルの価格を支払うことになり、それ以降はさらに十五ドルを余計に支払うことになる。今年から実質的に同九十五ドルでガスを購入することになるウクライナとあまりに格差があり過ぎるというわけだ。
今回の「天然ガス戦争」をきっかけに、これまで水面下で行われていた交渉の経緯や契約の具体的内容が表に出てきたことで、ロシアからガス供給を受ける欧州諸国では今後、国によって異なる価格をめぐる問題がクローズアップされることは避けられない。
ロシアからは、欧州向け天然ガス輸送用のパイプラインとして、今回問題となった南部のウクライナ経由と、中部のベラルーシ経由の二つのルートがある。これに加え、バルト海海底を通り、ドイツに直接つながる北欧ガスパイプライン建設にも着工しており、二〇一〇年にこの第三のルートが完成すると、欧州へのガス供給量は飛躍的に増え、欧州の対露エネルギー依存も高まる。
しかし、問題は「ロシアが天然ガスや石油といったエネルギー資源を政治的な圧力に使おうとしている」(米国務省)ことにある。北欧ルートがバルト海海底を通るのも、反ロシア感情が強いバルト諸国やポーランドを経由させたくないとのロシアのプーチン政権の政治的な意図が濃厚に反映されたためだ。同パイプライン建設をめぐっては、バルト諸国やポーランドが「欧州の政治的な分断をもたらす危険がある」と警鐘を鳴らす。
ウクライナでも「ロシアは今後も、天然ガスを含むあらゆる手段でウクライナの欧州傾倒を阻止するための措置をとってくる」との見方が有力になっている。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/06int001.htm