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英企業の日本法人、株売却43億円所得隠し…国税指摘
英国の国際企業グループの日本法人「ヴァージン・エンターテイメント・ジャパン」(東京都港区)が、2004年1月期の1年間に約43億円の所得隠しを東京国税局から指摘されていたことが分かった。
スイスの系列会社を通じ、日本国内にある系列の映画館運営会社の全株式を東宝(千代田区)に売却したが、「株売却益への税率が低いスイスの会社に売ったように見せかけた架空取引で、悪質な税逃れ」と判断されたという。
M&A(企業の合併・買収)を巡る所得隠しの指摘は異例だ。
追徴税額(更正処分)は重加算税も含め約15億円。海外取引に関し、仮装・隠ぺいを伴う巨額所得隠しはまれで、法整備の遅れた日本で横行する企業の国際的な税逃れに、警鐘を鳴らした形だ。エンター社は異議を申し立てているという。
エンター社は、英航空会社などを中心とする「ヴァージン・グループ」の一つで、複数のスクリーンを持つ複合映画館を運営する子会社「ヴァージン・シネマズ・ジャパン」(現TOHOシネマズ)の株の五十数%を保有していた。
関係者によると、エンター社は02年末以降、他の株主に対し、残る計四十数%のシネマズ社株をスイスの系列会社「ヴァージン・ホールディングスSA」に売却するよう要請。エンター社分を含め全株式約5万4000株が、SA社に計約60億円で売却された。03年4月には、SA社が東宝に103億円で売ったため、SA社に差額約43億円が入った形になった。
ところが、一連の株取引は、〈1〉エンター社からSA社への株売却価格だけが、SA社から東宝への売却価格より著しく低く不自然〈2〉東宝からの代金103億円は直接、エンター社に払われていた――と判明した。
また、法人による株売却益への税率は、法人税と地方税で計約45%の日本に対し、スイスでは連邦税の最高9・8%。このため同国税局では、実際はエンター社が東宝に直接売却したのに、税率が低いスイスのSA社に売却益の一部を移し替えるための架空取引だったと判断、43億円はエンター社の所得と認定した。
東宝はこうした税逃れを把握していなかったとみられるが、シネマズ社買収でスクリーン数では国内の映画興行界1位になった。
エンター社は、「シネマズ社株の売却に関し、日本の税務当局が問い合わせをしてきたのは事実だが、グループ内での株譲渡は、利益を隠すためではない。妥当な市場価値で譲渡したと考えている」としている。
(2006年1月3日3時1分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060103it01.htm