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□また「バブル待望論」に陥り始めた日本経済 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1592369/detail
また「バブル待望論」に陥り始めた日本経済
オイルマネーの流入を契機に、ネットトレーダーも加わってミニバブルの様相を呈し始めた。5年2カ月ぶりに平均株価が1万6000円台をつけ、市場では「株価2万円」なんて声まで出始めている状況だ。「バブルよ、来い!」と煽り出した。
竹中平蔵大臣が「ITバブル」を煽った時も乗っかって痛い目にあったはずなのに、もう忘れている。
結局、いまの小泉政権には、バブル待望以外に経済政策はないのだ。
実際、EUも米国も金利引き上げを選択したのに、日本政府だけは量的金融緩和を解除しようとする日銀の動きを阻止し、ゼロ金利を継続しようとしている。マネーサプライを増やしつつ、円安を誘導する。税制も株の売却益を完全な源泉分離課税にしたうえ、損失控除までできる。おまけに、税率はわずか10%だ。
金融ビッグバン、財政赤字、年金、雇用、地域経済、人口減少など……これまでの政策的失敗の責任を回避するには、バブル再燃ですべて忘れよう、というわけだ。
新聞や雑誌も一緒になって、日本経済の楽観論をひたすら垂れ流している。とうとう「財政危機はない」「年金危機も終わった」という論調まで出始めた。
最初は、英エコノミスト誌編集長ビル・エモットの「日はまた昇る」。つぎは、コロンビア大学のデビッド・ワインシュタイン教授の主張だ(たとえば、11月29日付日経新聞での寄稿「危機は終わった」)。
ワインシュタイン教授によれば、財政赤字の額は大きいが、正味資産をカウントすると純債務残高は小さいという。しかし、道路や特殊法人への貸し付けが資産といえるのか。道路は売ることができないし、特殊法人の財務悪化もひどい。年金にいたっては毎年、保険料が上がり、給付が下がるから万全だと称している。実態を何も知らないのだろう。2年前倒しで人口減少が始まった。昨年の年金改正で前提にした経済成長率や金利水準だと、消費税が19%必要になると財制審は試算している。日本の財政や年金が、持たないことは明らかだろう。
新聞テレビは、小泉政権が06年度予算案で「国債発行30兆円枠」を守ったと大きく報じているが、30兆円に削ったところで財政赤字は増え続ける。政権の終わりに近づいて、ようやく5年前の振り出しに戻っただけのことなのだ。
80年代以降を思い起こせばわかるように「バブルがすべてを解決してくれる」という発想は後が怖い。米国、中国のバブルが終わったら、再び大きなツケがやってくる。サラリーマンは、ネットトレーダーなんか目指さない方がいい。
【2005年12月27日掲載】
2005年12月30日10時00分