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この薬が注目されたのは2005年のこと。アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領が鳥インフルエンザの潜在的な危険性を訴えたことがきっかけだ。20世紀にはインフルエンザが3度流行、1918年にはアメリカで2000万人以上、世界では5000万人以上が死亡した、と大統領は強調、対策費として71億ドルを議会に要求している。日本政府も「新型インフルエンザ対策行動計画」を作成している。
もちろん、ブッシュ大統領が引き合いに出したインフルエンザの流行は「スペイン風邪」のことで、1918〜20年までの期間に世界で4000万人が死亡した、と一般的には言われている。その後、1957〜58年にかけての「アジア風邪」では100万〜150万人、1968〜69年にかけての「香港風邪」では75万〜100万人が犠牲になっている。
ブッシュ大統領の「警鐘」で火がついた「新型インフルエンザ対策」の結果としてタミフルの需要が急増、特に日本が買いまくった。現在、日本では通常のインフルエンザにさえ処方されている。
この薬を開発したのはカリフォルニアのバイオテクノロジー企業「ギリード社」。実際の生産はスイスの医薬品メーカー「ロシュ社」が行っている。
このカリフォルニアの会社は1987年に設立されているが、その翌年にドナルド・ラムズフェルド前米国防長官が重役として名を連ね、1997年には会長に就任した。2001年に現政権の国防長官へ就任する際に会長職を辞しているが、大株主ではある。2005年以降のタミフル人気で同社の株価は高騰、ラムズフェルドの資産は膨らんだはず。ちなみに、ロナルド・レーガン政権で国務長官を務めたジョージ・シュルツも同社の重役だ。
タミフルは、鳥インフルエンザの流行が呼び水になって売り上げを急増させたわけだが、2005年12月4日付のイギリス紙『サンデー・タイムズ』によると、ベトナムの医者はこの薬が鳥インフルエンザの患者に効かなかったと証言している。通常のA型インフルエンザに有効なだけだというのだ。カナダの保健当局は2005年の段階でタミフルの安全性に疑問を抱いている。もちろん、ロシュ社は新型インフルエンザのウイルスにも効果があると主張、安全性にも問題がないとしているが。
ラムズフェルドは1977〜85年にかけて、シアーレ社のCEO(最高経営責任者)も務めていた。この会社には1974年から倉庫に眠っている「新商品」があった。人工甘味料の「アスパルテーム」である。
その数年前、ワシントン大学医学部のジョン・オルニー教授はラットの脳に障害を与える化学物質を見つけているが、アスパルテームはその物質と分子構造が似ていた。このため、オルニー教授はFDA(食品医薬品局)のリポートを探し出し、ラットに脳腫瘍(しゅよう)ができている事実を確認した。このことを同局の長官に示したところ、1980年9月にはアスパルテームの販売を止める評決があったというのだが、この年の大統領選挙で共和党のロナルド・レーガンが当選すると状況は一変、評決は翻り、販売できるようになる(アンドリュー・コックバーン著『ラムズフェルド』スクライブナー、2007年)。今でも安全性論争は続いている。蛇足だが、ラムズフェルドは薬品や食品に関する専門的な知識があるわけではない。
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