★阿修羅♪ > 狂牛病・遺伝子組み換え・鳥インフルエンザ13 > 220.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
2006年9月20日号 日刊ゲンダイ
http://gendai.net/
消費者は知らない食の舞台裏 新連載@
垣田達哉
日本人は欧米人よりBSE感染しやすい
白人の6割は汚染牛肉食べても平気
「米国では米国産牛をみんな食べているのに、どうして日本で米国産牛を食べてはいけないのか」という人がいる。そもそも「BSEに対する勘違い」の原因がここにある。
実は、BSEは感染しやすい人と感染しにくい人がいる。英国でヒトのBSEといわれる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)患者の遺伝子を調べたところ、輸血が原因の感染者1人を除くと、他の人はすべて「129番目の遺伝子がM/M(メチオニン/メチオニン)型だった」ことがわかった。つまり、「M/M型の遺伝子を持っている人しかvCJDに感染しない」という可能性が非常に高いということだ。
さらに、この遺伝子を持っている人が多い人種、少ない人種もわかっている。ヨーロッパの白人のなかでこの遺伝子を持っている人は「約40%」だが、日本人はなんと「約92%」もいる。ほとんどの日本人がヒトのBSEに感染しやすい遺伝子を持っているということである。
「ヨーロッパの白人の6割は、危険部位が含まれた牛肉をどんなに食べても感染しないが、日本人は92%の人が感染する可能性がある」ということである。米国人のデータはないが、白人に関してはヨーロッパ人と同じ比率と考えられる。
日本人でもvCJDに感染して亡くなった方が1人いる。英国滞在中に感染したとされているが、同じように英国で感染して死亡した米国人は英国滞在期間が14年間、カナダ人は4年間と長い。日本人男性の滞在期間はわずか「24日間」である。この男性がM/M型かどうか公表されていない が、こんな短期間に感染したのは感染しやすい遺伝子だったからか。
欧米諸国にすれば「BSEのリスクなど気にするほどのことではない」のかもしれないが、日本人にとっては「BSEは大きな脅威」である。日本人が感染しやすい遺伝子を持っていることは、秘密でもなんでもない。食品安全委員会や厚生労働省も公式に発表している。ただ、このことをマスコミ、とくにテレビはほとんど取り上げない。米国産牛肉を使った牛丼再開の話は大々的に報じても、日本人特有の危険を伝えようとはしない。唯一、「ビートたけしのTVタックル」だけはこの危険についての私の発言をカットせず放送してくれた。
危険部位の除去や飼料規制に不安が強いにもかかわらず、BSE検査を一切していない米国産牛肉。感染しにくい人たちの国から、「安全だから食べろ」と言われても、どうして信じることができようか。
(つづく)
◆かきた・たつや 1953年岐阜県生まれ。慶応大学卒業。消費者問題研究所代表として、食品表示や食の安全についてアドバイスを続けている。近著に「テレビじゃ絶対放送できない『食』の裏話」(リヨン社)。
▲このページのTOPへ HOME > 狂牛病・遺伝子組み換え・鳥インフルエンザ13掲示板